【時事雑感】

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大阪維新の躍進に 恐怖を覚える 編集部 田中 末広

編集部が、リレー形式で時事問題を斬る!

 「万博とカジノで経済効果は2兆円」「二重行政の無駄をなくし大阪都構想で更なる成長を」と訴え、森友問題に頬かむり、災害復興は後回しの府知事・市長のダブル選挙と統一地方選前半の府議会市議会選が終わった。  

結果、大阪維新の会は、府議会(定数88過半数45)で55名・市議会(83,42)で43名に。これが大阪府民の民意かと思うと、情けなく悔しい、さらには恐怖さえ感じる。  

選挙で何が変わるのか

「多数派による少数派の支配」でしかないのなら議会制民主主義は機能不全と言わざるを得ない。統一地方選の後半戦市議会選挙が始まり、7月には参議院選挙が予定されている。なぜ権力を私物化する安倍政権のような政権が維持できるのかを考えるため、本紙No.1677号「時事雑感」で「選挙ですね」を記した。  

前回、「政治と金の問題がクローズアップされ、政治腐敗をなくすために、金のかかる中選挙区制度から小選挙区制に改革されたが、結果は多くの死票を作り出し今の安倍政権を誕生させた」と述べた。  

例えば、戦後最低の52.7%の投票率であった2014年末の総選挙は、自民党(安倍政権)が圧勝した。  

低い投票率と、48%の得票率(295小選挙区の有効得票総数に占める自民党候補全員の総得票)で76%の議席を得た(自民党は295小選挙区で223の議席を獲得)。  

60%が死に票

自民党は、小選挙区に投票した2人に1人弱の得票で、衆議院の4分の3の議席を得たことになる。解りやすくすると、例えば2000人の有権者、3人の候補者がいたとする。投票率が50%でAさんが400票、Bさんが350票、Cさんが250票でAさんの当選とした場合、得票率40%で当選。投票した人の60%が死に票で、有権者1600名の意思は反映されない。  

1994年の選挙制度改革と政党助成金の導入で、政治資金は政党に集中し、政党中央に権力が集中する。選挙は政党本位で行われるようになる。同時に2001年の省庁再編・2014年内閣人事局の新設など首相権限の巨大化が図られた。約30年をかけて今の安倍政権があるとも言える。

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