北大阪合同労組 小泉 圭
毎年恒例のコミュニティ・ユニオン全国交流集会が、今年は「バリカタ絆! 諦めんたい!」を合言葉に、連合福岡ユニオンをはじめ九州のユニオンが中心となり、10月7・8日に福岡で開催された。前週に安倍政権が唐突な衆議院解散・総選挙を決定し、野党の分裂や新党結成が連日大きく報道される中、全国のユニオンから昨年を上回る400人以上の参加があった。
この総選挙後には、安倍政権による「働き方改革」の実施が予想されている。総会では、この「改革」は見せかけと裏腹に、労基法改悪法案の成立をめざし、労働組合の影響力を排除する意図を含んだ「働かせ方改悪」に他ならないことを強く糾弾した。
そして職場・地域の労働現場からの、労働分野の全面規制緩和、雇用と労働の破壊を許さない闘いを訴えた。最後に各地域のユニオンから特別闘争報告があり、北大阪合同労組委員長で豊中市議でもある木村真さんから、森友・加計問題の報告もあった。
総会後、続けてパネルディスカッションが開かれた。その中で、中野麻美弁護士の主張は、(1)人間を道具化し序列化する「改革」は許さない、また、(2)平和と人権とは表裏一体であり、それは自分にとって平和とは何かを考えてみると良くわかる、など独特の話し振りで印象に残った。
その後、別室で争議報告会があったが、満席で立ち見の盛況ぶりだった。晩のレセプションは、連合福岡によるミニ劇に始まり、全国各地域のユニオンの自己紹介を交えて大いに盛り上がり、三池闘争の象徴でもあった炭坑節でしめくくりとなった。 翌日は、テーマごとに11の分科会に分かれて討論を行った。私は「組織運営」の分科会に参加したが、ここではユニオンの維持発展のための人材育成、組織拡大、財政基盤の安定化などについて議論された。運営や対処方法は一様ではなく、結論的なものは出なかったが、組合費の自動引落しの普及、SNSの活用の増加など、概して昔気質の労働組合も時代の波には勝てない、という思いを持った。
最後に全員が再度集合し、特別決議と集会宣言をもって終了となった。この交流集会で、闘いの課題と決意を共有し、働く者の生活と人権を守る闘いを粘り強く続けてゆく活力を得ることができた。