伊丹市の公立総合病院の統廃合に反対 宮川一樹(伊丹市、理学療法士)

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各地で進む地域医療・介護削減政策

説明しない市長 不安募らせる市民

 私の住む伊丹市は、江戸時代から約300年続く酒造りの町で、俳人の鬼貫(おにつら)もいた古き良き伝統のある市です。伊丹市には総合病院が2つあります。市立伊丹病院と公立学校共済組合近畿中央病院です。その2つが統廃合されようとしています。  

藤原伊丹市長は今年2月、「市立伊丹病院あり方検討委員会」に答申。それによると、人口は減っていないのに入院ベッド数は800床から500床に縮小し、経営は市から独立行政法人へ民営化するとしています。  

この問題を朝日新聞の読者投稿の「声」欄に3回投稿しましたが、掲載されていません。  

病院が民営化されれば、伊丹市の公的な福祉医療は後退縮小します。具体的には不採算部門の小児科や産婦人科や救急部が、赤字を理由に閉鎖されるかもしれません。市議会のチェックもできなくなります。市長はなぜ市民の健康への不安を煽り、医療の充実と逆のことをするのか、いまだに説明がありません。安心して利用できる病院がなくなるかもしれない、と危惧を感じた市民が、2つの病院の存続と充実を求める署名集めを1カ月前から始めています。  

この問題は、伊丹だけでなく、近辺の川西市や三田市、尼崎市、西宮市でも起こっています。  

生老病死は人の世の常です。福祉医療の問題は、自分や家族の命の問題として考え、声を上げ、行動することが必要です。ところが、正確な情報を知っている人はいません。なぜだろうと不思議に思っていました。  

それは、市は4月に統廃合推進班を作り、全自治会長に説明していますが、情報はそこで止まっていて、99%の市民には届いていないからです。そんな行政の慣習に疑問を感じる市民もあまりいません。  

市役所前抗議スタンディング 市職員・警察が強制排除

私は10人ぐらいの市民と統廃合反対の署名活動や学習会を始めています。この市民運動が、伊丹市の封建的な行政を民主主義的な当たり前の行政へ変え、市民の活発な議論を巻き起こすきっかけになれば、と願っています。  

10月23日、昼12時30分から伊丹市役所の西出入口で、30人ぐらいで、抗議のスタンディングをしました。20分ぐらいたったころ、様子を見に出てきた3人の地域医療体制整備推進班(今年の4月に藤原市長が作った。10人)の職員に、「藤原市長は統廃合問題を市民と話し合え!」と抗議したところ、市長の防衛隊のような職員数人と兵庫県警の警察官20人を動員して、私たち30人を市役所の敷地から外の歩道へ追い出しました。私と何人かは市の強権的対応に抗議の声を上げました。許せません。  

今後も反対を続けます。署名も1万筆集まっています。皆さんもぜひ反対の声を上げてください。

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