3月10日、大阪市西区民センターで、右記集会が行われた。昨年7月、滋賀県警組織犯罪対策課が、県内の生コン協同組合の理事らを逮捕したのを発端に、今年3月10日までに延べ62人(再逮捕を含む)が逮捕され、38名が起訴されるという未曾有の大弾圧に抗するための集会である。
しかも逮捕理由が酷い。(1)ゼネコンに対し、協同組合から生コンを買うように働きかけたことや、ビラまきを「恐喝未遂」、(2)労組が生コン会社や運送会社に対しておこなったストライキが「威力業務妨害」だという、憲法28条と労組法を真っ向から否定する暴挙である。
さらに今回の弾圧の特徴は、(1)スト現場にいなかった組合役員も逮捕されるという共謀罪のリハーサル弾圧の様相を呈しており、(2)警察や検察は、逮捕者ばかりか家族にまで組合脱退を働きかけており、組合破壊を主目的とする弾圧だ。
この日の集会では、当該組合から「現状報告」、被弾圧者からのアピールに続いて、労働研究家=熊沢誠氏(元甲南大学教授)の講演があった。同氏は、英国労働運動の歴史を紐解きながら、今回の弾圧について、(1)20世紀初頭に労働運動が獲得してきた労組法(ストライキへの損害賠償を免責した)を否定する、組合潰しのための弾圧であること、(2)ストを打ち、巨大ゼネコンに対抗し、中小生コン企業の経営安定化を狙った産業政策をもつ「まっとうな労組」だからこそ弾圧の対象にされたこと、(3)今回の弾圧は、産業民主主義の破壊であり、ファシズムの始まりだとして、(4)野党をはじめ、全労連・連合も含め弾圧の暴挙を政治問題化しなければならないと訴え、参加者の共感を呼んだ。
集会実行委は、緊急署名活動とともに、5000万円救援カンパ活動を展開している。既に裁判も始まっており、傍聴支援も呼びかけている。 詳しくは、関西生コンの公式ホームページ(https://www.kannama.com/)に掲載している。
不当逮捕弾圧最高裁へ 国賠訴訟の傍聴を!
人民新聞は、3月11日、編集長不当逮捕の案件で、最高裁への上告趣意書を提出しました。
違法家宅捜索の次回国賠訴訟は、4月12日14時~大阪地裁前アピール、15時~大阪地裁202大法廷で行われます。傍聴支援をお願いします。(編集部)