カジノ・万博に頼らない地域経済の育成を   阪南大学教授 桜田照雄さんに聞く(2)

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 92年のUSJ招致を契機に集客政策に邁進した大阪市は、地場産業の育成策を放棄したかのようです。USJ自体も住友金属の工場跡地に建設されました。このとき汚染土壌10万立米の処理は大阪市が負担しました。この経験もあってか、産業廃棄物の最終処分場である夢洲へのカジノ誘致がもくろまれています。

 「既得権益を打破する」と維新の会が登場。小選挙区制で破壊された大阪の政治構造を、カジノ・万博を通じて再編しようと躍起になっています。

 金融や不動産で儲けた人々が億ションを買い漁る姿も庶民の目に映るようになった。人々が「なんでや」と格差を痛感した時、カジノ・万博こそが「庶民の生活」を引き上げるのだと思い込まされています。カジノ・万博が「イデオロギー装置」の役割を果たしています。

 カジノ誘致は、米国資本の利権構造など、辺野古の新基地建設とも似ています。どちらも「地方自治」のありようを劇的に変化させています。両者とも憲法違反だからです。ヤクザの暗躍も懸念材料です。ギャンブルに費やすカネをカジノ業者が貸し出す仕組みがあり、債権を債権回収業者に数段階にわたって転売できます。暴力団排除条例で追い込まれた彼らが、回収ビジネスで息を吹き返すのではあるまいか。

 大阪経済を再生するには、住民の生活を地域で支える地元企業の振興が欠かせません。意外に思われますが、大阪農業の活躍ぶりには目を見張るものがあります。地元農協の協力を得て「大阪産(もん)」というブランドを農政当局が立ち上げ、普及しています。付加価値の高い作物をマイクロビジネスの手法で取り組んでいるグループもあります。地域住民との連帯を育むビジネスを各地で生み出すことができれば、カジノに頼らない地域経済が実現するでしょう。
(談 聞き手・編集部・園)

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