川崎市でイスラエル軍事見本市「ISDEFJapan」開催

「平和の祭典」?東京五輪を口実に死の商人が暗躍 反五輪の会 首藤久美子 「川崎でのイスラエル軍事エキスポに反対する会」

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「ISDEFJapan」初日。会場となった川崎市とどろきアリーナ前には、開催強行に抗議する人々、約200人が押し寄せた。「とどろきアリーナを軍事見本市に貸さないで!」「東京五輪を口実にした軍事見本市はいらない!」等メッセージを掲げ、横断幕を広げマイクアピール、そして一斉に、地に身を横たえてのダイ・インをした。

 止むことのないイスラエル軍のパレスチナ占領に世界中でイスラエル・ボイコットが巻き起こっているにもかかわらず、東京オリンピックの安全のためと称して、日本ではこのイスラエル軍事企業の商談イベントが公共施設で堂々と開催されてしまう。問題点と、大きく拡がった抗議行動を報告する。

イスラエル諜報機関が開発した軍事技術

 「ISDEF」のポスターには、露骨にオリンピックのロゴが描かれている。そして「2020年の東京オリンピックには、4000万人以上の観光客が訪れると予測されます。セキュリティは主催者と当局にとって最大の関心事」などと喧伝し、歓迎されて当然とでも言いたげだ。

 イスラエル企業がこの間セキュリティ関連商品として監視カメラや生体認証、AIによる画像解析、サイバーセキュリティといった先端技術を日本に売り込むにあたり最大限にアピールしているのは、実戦を通じて技術革新を重ねてきたという殺戮の「実績」だ。軍の諜報機関出身者が開発に携わっていることが、なぜか信頼性をアピールする売り文句になる。

 「ISDEF」のPRビデオは、映画さながらの特殊装備をまとった軍人による制圧シーンのオンパレードだ。「対テロ」、防衛、セキュリティ、どう言い繕おうと中身は戦争そのものではないか。オリンピックを絶好のビジネスチャンスとして、テロの脅威を煽り軍事技術を売り歩く「死の商人」たちこそ、戦争への水先案内人なのではないのか? 

 5月、非武装のパレスチナ市民たちの帰還デモに、イスラエル軍は容赦なく銃弾を撃ち込んだ。東京オリンピックに反対する私たちにとって、「ISDEF」の開催は、イスラエルの軍事製品だけではない、非人道的なイスラエルの思想・行動様式が日本社会に持ちこまれる契機に他ならず、銃口が真っ直ぐ私たちの方を向いている。抗議しないわけにはいかない。

 そんな中、 武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)の呼びかけで、パレスチナ問題に取り組んできた方たち、地元・川崎の住民の方々ががっちりつながり「川崎でのイスラエル軍事エキスポに反対する会」が発足したことは、私たち反五輪の会にとっても大いに勇気づけられるものだった。さっそく相談会に参加し、約2カ月後にせまるISDEF阻止行動にともに取り組んだ。

 とどろきアリーナ指定管理者への公開質問状に始まり、責任者である川崎市長への中止要請、「ISDEF」日本側主催への問い合わせ、緊急の署名集め、2度にわたる記者会見と市への申し入れ行動、8月3日には「本当にやるの?川崎で イスラエル軍事エキスポを考えるシンポジウム」を開催。連日ツイッターで「ISDEF」とイスラエルの実態を発信し、地元・神奈川新聞を筆頭にメディアも次々と報道した。

 なによりも連日の殺人的猛暑の中、川崎住民の方々を中心に、とどろきアリーナ最寄り駅などの街頭で、あらゆる集会で会のチラシが1万枚近く配られ、地域住民に直接届く形で「ISDEF」抗議が呼びかけられたことは特筆したい。

「セキュリティ先端技術は武器ではない」川崎市長の無知

 ブース出展が判明した企業のうち、ソフトバンクに対する開催前々日8月27日の抗議行動では、ソフトバンク側から「参加を見送った」との返答を引きだした。同日夜には反五輪の会が呼びかけ、とどろきアリーナ現地での搬入阻止行動にも取り組んだ。

 そして迎えた開催当日。29日の大抗議行動につづき、2日目8月30日も70名ほどが集まり、川崎市地域振興課・とどろきアリーナ指定管理者への追及が粘り強く行なわれるなど、凄まじく熱量のこもった抗議運動が展開されたと思う。

 「ISDEF」は開催されてしまった。しかし、とどろきアリーナ条例が定める使用目的や核兵器廃絶平和都市宣言に照らして開催すべきではないとの要請に、福田・川崎市長が「条例違反ではない、問題ない」と開き直ってきた、その無思慮さを露わにする事実が、開催中にも露呈した。入場者が持ち帰ったイスラエル企業TAR社のカタログに、武器が当然のように掲載されていたのだ。指摘を受けた市側は慌ててブースに走り、カタログを取り下げさせたそうだ。しかし、一般非公開の「ISDEF」において、本当にカタログを取り下げさせたのか、市民は確認できない。ブースを撤去すべきとの追及に、市側は「カタログは危険物ではない」と回答した。 

 武器でないからよいという思考がすでに、人権・平和の理念を大幅に後退させるものだ。軍事企業の儲けはさらなる殺戮のために投資され、さらなる戦争を渇望する。

 そしてオリンピックの成功のためと称して、過剰なまでに張り巡らされるセキュリティ先端技術は、私たちのプライバシーを丸ごと掌握し、異論反論を許さない監視国家化、戦争国家化に存分に活用されていくだろう。オリンピックが「平和の祭典」であるかのような幻想を人々が持ち続けるかぎり、目眩ましは有効だ。

 今後は川崎市長に再度申し入れし、10月12日には報告集会を行う。ご参加を!「セキュリティ先端技術は武器ではない」川崎市長の無知

反五輪の会
メール:anti_isdef@freeml.com ツイッター:https://twitter.com/2018_anti_isdef

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