【時評短評私の直言】シングルマザーの貧困を考える しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西 鈴木くみ子

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貧困者をさらに選別・差別する国の制度的いじめ

 シングルマザーの置かれている状況は厳しく、とくに最近の相談で考えさせられ改善してほしいことがある。事務所に相談に来られたYさんの事例を報告する。

 Yさんはお子さんが4人で離婚して育てている。現在はYさん自身が体の不調から仕事ができなくなられて、生活保護と障害年金2級を申請された。障害年金2級が認められ、さかのぼって支給されることになった。一番下のお子さんも障害をもっておられ、大変な生活をおくられている。

 さかのぼって支給されたが、同時に児童扶養手当(満額プラス子加算2万で8万ほど)はさかのぼり返還するように行政から言わた。差額で言えば2万くらい低くなるうえに、さかのぼって児童扶養手当を返せというのは本当につらい。いったいそのお金をどうして作ればいいのかもわからない…という訴えであった。

 児童扶養手当は、離婚、非婚に支給されるお金だが、結婚していても親が障害をもつ人も申請できる。驚いたことに、その場合は低くなった差額は出るという。子加算の差額は非婚、離婚には出ないのに、結婚していると出るというあきらかに差別的な制度にも驚いた。
 わたしたちしんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西としても、この問題を調査していかなければいけないと思った。親の援助のない母子家庭や、障害をもち働けなくなったひとり親の生活はあまりにも貧困できびしく、最低で文化的な生活どころではない。

 貧しいなりにも働いてかせぎ、親子で協力しあってなんとか楽しく生きていけるシングルマザーでも、時には心が折れそうになることがあるが、このような貧困者いじめを日本は置きざりにしているのだ。考えて改善してほしい。

 違う例では、行政が間違って障害年金と児童扶養手当を6カ月ほど支給していて、行政のミスにもかかわらず返還要求され、いまだに返せない方もいる。分割にしてもただでさえ収入の少ない世帯には酷な要求である。

 つい最近ニュースでも話題になったが、羽曳野市の児童扶養手当の申請のチェック項目には、ひとり親が妊娠しているかどうかの項目があり、本当に驚いた。このような差別的ともいえるハラスメントには抗議していきたい。国自体がセクハラを容認しているのだから仕方ないなどと見過ごしにできないことが、あちこちで起こっている気がする。当事者が声をあげていくしかないと思う。

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