沖縄・先島現地取材(1)辺野古ゲート前500人連続行動

ダンプと砕石見せつけ諦めさせる「軍事土建国家」に抗う人々

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 沖縄では辺野古の米軍新基地建設と、先島諸島の自衛隊ミサイル基地配備が同時に強行されている。安倍自民党政権が進める戦争国家化の最前線であり、巨大な土木建設利権でもある。
 辺野古ではこの流れを変えるために、ゲート前に500人を集める集中阻止行動が行われた。宮古島、石垣島でも日々、阻止・抗議集会が行われている。本紙は石垣島・宮古島・辺野古を現地取材し、現地の人々の声を伝える。今号は辺野古、次号は石垣島・宮古島をレポートする。(編集部・園)

沖縄・辺野古の激しい状況

 沖縄は今、(1)海上の護岸工事開始から1年。カヌー隊は抗議を続けるが、護岸は伸びて土の投入が近づいている、(2)ゲート前の搬入阻止行動は日々座り込む人々の警察による排除が続き、1日約300台もの資材ダンプが入っている、(3)2月の名護市長選に続き、4月の沖縄市長選も「オール沖縄」側の候補が敗北、(4)翁長知事は体調を崩しながらも「埋め立て承認撤回」をめざしている、といった総じて厳しい状況だ。埋め立て承認取り消し裁判で県側が敗訴したことも、反対派市民のボディーブローになっているという。

 沖縄市長選で負けた諸見里宏美前候補に聞くと、「名護と同じく、政府が総動員で圧力をかけてきた。公明党・学会が乗り込んで来てレンタカーとホテルを大量に借り、多額の資金を使い7~8割もの住民に電話調査を行い、私の支持者は誰かをコンピューターで割り出し、自公候補への投票を求めた。地域のレストランにまで入り込み、住民に話しかけてきた。与党国会議員も大勢来たし、私たちへの中傷ビラも大量にまかれた」という。

 そんな状況だからこそ、奇跡の一週間を作ろうと呼びかけられた。500人行動は「座り込みがなければ、すでに基地は完成していた。いま一度人が集まれば、ゲートは開かない。工事は止まると激を発している。 

一人ひとりの力辺野古でも発揮を

 実行委の一人、土木技術者の奥間政則さんは「全国で講演していると、今も沖縄への期待を感じる。だが、山城博治さんの逮捕・長期拘留、オール沖縄の衰退、名護市長選での敗北などがあって、運動の参加者が減っている」としたうえで、「『朴政権を倒したのは、民衆一人ひとりが立ち上がり、ネットで呼びかけ集まった力』だ。辺野古でも発揮したいと思って、呼びかけた。呼びかけ人は世界中から集まった。沖縄の基地を止めたいと思う人が大勢いることの表れだ」と語る。

 また、ゲート前テントに常駐している大西章さんは「参加者の多さが意思表示になる。テントも手伝いに来てほしい。日々の行動の中から、自分の役割を見つけてほしい」と話していた。

創意工夫のゲート前阻止集会機動隊との激しいせめぎあい

 集中行動初日にあたる、4月23日朝、沖縄県内外から集まった700人がゲート前を埋め尽くした。普段は数十分で排除されるが、この日は5時間あまり資材搬入ダンプを止めた。機動隊員が足りず、「こちらが押していた」と皆が話す。

 この結果、ダンプは百数十台しか入れなかった。慌てた機動隊員が暴力的排除をしたため、高里鈴代さん(沖縄平和市民連絡会共同代表)が肋骨を折るなど、30人もの怪我人が出た。

 翌24日も延べ千人近くが参加。平和運動センターの大城悟さんと、現場復帰した山城博治さんが指揮。全員で腕を組んで「座り込めここへ」などを熱唱し、士気を高めた。

 だが警察は態勢を立て直し、沖縄全県の機動隊員を動員し、座り込む人々の強行排除を行い、排除された人々は機動隊員と警察車両の「オリ」に監禁された。記者も排除に抵抗したら、米軍基地内に連れ込まれた。その間トイレにも行けないため、抗議指揮者が一旦抗議行動を解除する代わりに人々を出させるという判断に追い込まれた。その間2名が不当逮捕された。

多様な阻止行動海上もカヌー

 この計画的な排除強制は、警察ヘリが上空から抗議者を撮影・分析し、東京の警察庁が現場に指示を出しているという。現場の警察は排除の間、車道を規制し、一般車両や定期バスまで迂回させ、「ゲート前抗議のせいです」と宣伝をしたという。

 翌25日、26日はさらに多くの人がダンプ車両前に立ちはだかり進入を阻止しようとしたが、3名が逮捕された。名護署前では逮捕者への激励行動が行われ、翌日には取り戻した。多様な阻止行動に毎日500人以上が参加、最終日の28日は1300人が参加し、ダンプは全く入れなかった。

 また、護岸工事着工1年の25日は、辺野古の浜でも「カヌー&船で埋め尽くそう!海上座り込み行動」が行われ、約80艇、100人のカヌーチームが海上を埋めた。海上保安庁に拘束されながらも、果敢に規制線を超えて抗議行動を展開した。

 13時からは浜で連帯集会が行われた。カヌーの半数は初心者講習の参加者であり、まだまだ県内外から多くの抗議者が陸にも海にも来ることが明確に示された。

軍備と土木事業の同時強行違う国家と経済のあり方を問い直す

 これまでも国は、陸や海上の大規模集会の日は、工事や強制排除を止めていたが、今回は機動隊を大量動員し搬入・工事が継続された。こうした政府のやり方について沖縄では「海の砕石投下・護岸建設も陸のダンプ搬入も、人々を諦めさせるために、わざと見せつけている」とよく言われる。海は投下の「ガラガラガラ」、陸はダンプの「ドドドド」という「音」が鳴り響く。記者も機動隊に包囲されながら砕石投下するダンプを見せられ、工事を止められない現実に呆然とさせられ涙が出た。ある人は「飛び込んで止めたくなるから、車列は見ないようにしている」と話す。

 沖縄の軍事基地化と土木事業の強行は、「軍事土建国家化」と呼ぶにふさわしい姿だ。安倍首相の「この道しかない」の具現であり、ヤマトの沖縄への暴力だ。

 抗議のなか、毎日毎日、無表情で資材搬入する運転手や作業員の頭と心も麻痺させると思える。どんなに抗議されても、日々の仕事の延長のなかで作ってはいけない軍事施設、壊したら戻らない自然があることを判断する力を奪っている。人間性の収奪は日本全国を覆っている。人間を限りなく一部分の駒にさせる資本主義社会の問題でもあるのだ。

 次号は、そうした思いで石垣島・宮古島の自衛隊基地建設を止めている人々の声をお伝えする。(続く)

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