盛り上がらないトランプ来日反対運動 メディアのトランプ迎合・翼賛報道

11.5「安倍とトランプは戦争と差別を撒き散らすな! トランプ・安倍の戦争会談反対!」東京・新宿デモ

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トランプ・安倍戦争会談反対!新宿共同デモ実行委員会 石橋 新一

国際的視点足りない 運動の克服が課題

 米国第一を唱え、世界中に戦争と排外主義を撒き散らすトランプ米大統領が、11月5日に来日した。内・外で戦略的破綻に陥ったトランプは、朝鮮半島の緊張を平和的に解決するどころか、9月には「炎と怒り」「完全な破壊」の戦争を行うと脅し、安倍は敵地先制攻撃を唱えている。
 トランプ・安倍会談が、朝鮮戦争挑発と東アジアの緊張をエスカレートさせ、日本の軍事強国化を狙うことは明らかだ。天皇会見も行われ、02年のブッシュ来日を超える首都戒厳態勢も敷かれた。
 トランプのアジア歴訪は、安倍と戦争会談→韓国国会で演説→党大会で権力基盤を固めた習近平主席と会談→ベトナムAPEC→フィリピン東アジアサミットなど、米帝のアジア舞い戻り戦略を再構築するためのものである。また安倍政権は、戦争法や共謀罪など実質改憲で戦争と治安を一体化させ、さらに「国難突破」解散・政界再編によって明文改憲に突進している。
 しかし、家の中で、あるいは庭先で戦争をひき起こされることに、ローソク革命で誕生した韓国・文政権、中国―ロシアは対話による解決を求めてている。安倍が戦争に反対すれば、あるいは米・日・韓など東アジアの労働者民衆の反戦・反核の声が高まれば、朝鮮戦争突入は難しい。私たちは、安倍の暴走をなんとしても止めなければならない。
 仕掛けられている明文改憲攻撃は以降、臨戦状態あるいは戦争の中で進行する。9条改憲・緊急事態条項新設は、自衛隊合憲化に留まるものではなくインド・太平洋戦略の下での海外派兵・戦争に直結するものである。こうした新たな状況―戦争と改憲が同時接近するなか、日本の民衆運動は今一歩の飛躍を迫られている。従来通りの闘い方では、トランプや安倍の暴走を止められないからだ。
 しかし、トランプ来日直前の11・3国会包囲行動(4万人)では、トランプ糾弾の声すらほとんどあがらなかった。「北」バッシングの差別排外主義や一国主義に囚われているからだ。「来日反対」をメインに掲げた闘争は、東京では4日の在日韓国民主統一連合・日韓民衆連帯全国ネット共催の新宿デモなどのみであり、さびしい限りであった。
 私たちは一昨年来、日韓民衆連帯・沖縄民衆の闘いと共闘しながら、伊勢志摩サミット、南スーダンPKO派兵、共謀罪、差別排外主義鼓吹に反対する共同の闘いを強化してきた。
 そしてトランプ・安倍戦争会談は、私たちにも新たな飛躍、1日実行委を結成して闘わざるを得ない今一歩の飛躍を迫った。

反トランプは世界の常識 多くの外国人が飛び入り参加

 11月5日17時、首都戒厳態勢と排外主義右翼がデモ妨害を企てるなか、柏木公園には、私たちの訴えに賛同した労働者市民、さらに米国・イタリア・ブラジルなど多様な人たちが集まった。
 デモ前の集会は、実行委を代表して破防法・組対法に反対する共同行動が基調報告、韓統連、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック、争団連・地域共闘交流会、直接行動(DA)が連帯あいさつ・発言をおこなった。
 さらに民主労総・農民団体など韓国222団体が結成した「トランプNO共同行動」呼びかけの「日米韓共同宣言」を拍手で採択。弾圧や挑発をはねのけ毅然としてデモを貫徹する行動が呼びかけられ、18時に欧米系外国人10数人を含む250名の仲間が新宿デモに出発した。
 出発直後、新宿駅大ガード前の日の丸と星条旗を掲げた護国志士の会など右翼約20人を「排外主義右翼は帰れ」のデモ・シュプレヒコールで糾弾して駅周辺をデモ、沿道からは外国人を含む強い関心・拍手が寄せられた。日本のマスコミと異なり、「反トランプ」は世界の常識なのだ。
 解散地の花園公園での集会は、実行委(戦争をしない・させない練馬アクション)が総括を提起、日韓ネットの連帯あいさつ、そして新宿デモに寄せられた韓国、フィリピンBAYAN、米国ANSWER連合のメッセージを紹介、以降も共に闘うシュプレヒコールをあげて終了した。
 トランプのアジア歴訪は、米国、日本、韓国、フィリピン民衆の反対の声に迎えられる。韓国では、トランプ訪韓に反対して「NO トランプ共同行動」が7~8日を頂点に集中的な行動を呼びかけている。
 朝鮮半島・東アジアの緊張は以降も続き、安倍の暴走は加速する。激動の季節が到来するなか、大衆運動の力で暴走NO!の声をあげ、共に闘い抜きましょう。

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