【視点論点】第三世界(アラブ・アフリカ)イスラエル人 による変革の可能性

パレスチナ問題再考(下)

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編集部 脇浜 義明

 パレスチナ問題の解決は、イスラエルの変革なくしては解決できないゆえんであり、パレスチナ問題とは、イスラエル問題であり、さらに言えば、シオニズムを生んだヨーロッパの問題である。
 イスラエルの民主化闘争とパレスチナ解放闘争がいっしょにならなければならない。残念ながらそれを認識しているイスラエル人左派はまだ数少ないが、最近、主として世界のユダヤ人から、その認識の声が聞こえ始めている。
 いわゆる「ミズラヒ」とか「セファルディ」と呼ばれるアラブ系ユダヤ人知識人エラ・ショハットは、「イスラエルの第三世界性」について書いている。人口統計的に見て、パレスチナ系イスラエル人が20%、アラブ・アフリカ系ユダヤ人が50%で、計70%が「第三世界イスラエル人」によって占められていることを指摘、そこに変革の可能性を見ている。ミズラヒはシオニスト主流だった労働シオニストから差別されてきた結果、極右宗教政党の票田となっているが、かつてはイスラエル・ブラック・パンサーを組織、PLOと最初に交流したユダヤ人団体でもある。この70%は、潜在的に、ヨーロッパ系シオニスト支配のイスラエル国にとって脅威である。
 こういう客観的基盤を運動側が意識して活用し始めると、イスラエルの民主主義的変革、そしてパレスチナ解放も夢ではない。日本や世界の国際的パレスチナ支援運動も、被害者への人道的支援を越えて、よりよき未来を創造するというビジョンを開発する連帯運動に転化するとき、自社会の課題とパレスチナ・イスラエル問題とがつながる普遍性が見えてくるのではなかろうか。それこそが本来の連帯である。

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