【衆院選特集(3)東京】政治の光景を変える 最初の一歩を

「魂を買い叩く」小池新党

LINEで送る
Pocket

東京在住 杉原浩司

希望の党合流議員は恥を知れ

 筋書きの悪過ぎるドラマ。小池新党(「希望の党」という言葉は使いたくない)による前原民進党の併合劇は、いわゆる「リベラル勢力」の壊滅という大惨事をもたらしかけた。安保法制や憲法改悪への賛成、さらには在日外国人の地方参政権に反対するなどの踏み絵を踏ませて、屈服を迫る小池の手法には、「魂を買い叩く」という言葉がふさわしい。
 そもそも、関東大震災時の朝鮮人虐殺被害者への追悼文の送付を拒否し、虐殺を事実上否定するような人間は、本来なら政治生命を断ち切られて当然なのだ。レイシストに居場所を与えるどころか、ひざまずくような人々には、「恥を知れ」という言葉しかない。
 併合された民進党議員には、「もともと、安保法制には賛成だった」と言い放つ連中がいる一方で、自己の政治信念の核を売り渡し、自らを偽っても再選を優先する人々もいる。人はこのような生き方をしてはいけないのだ、と自覚させられる。

立憲民主党誕生とリベラル勢力縮小

 かろうじて、魂を売り渡すことを良しとしない人々が「立憲民主党」を立ち上げた。まさに沈没の一歩手前で、にわかづくりながらも、救命ボートが荒海に放たれた。「初めて、市民に背中を押されてできた政党」との枝野代表の言葉は真実だと思う。
 左右の大きな幅が存在し、すっきりとしなかった民進党に比べて、素直に応援(もちろん、個別の政策に賛同できない部分は存在するが)できることはプラスだ。しかし、その一方で、まっとうだった一部の人々が小池新党に併合されたことによって、全体のリベラル勢力が縮小したのも、間違いない。この選挙で立憲民主党が健闘することは間違いないと思うが、選挙後に「ミニ民進党」というレベルにとどまるなら、政治状況のダイナミックな変革にはつながらないだろう。
 「草の根からの民主主義」を標榜するなら、政党のあり方自体も大胆に、市民参加型の新しい政党へと変えることが必須になると思う。リベラルな政治空間を取り戻すことは、日本の政治の変革にとって不可欠なのだから。

草の根からの民主主義へ

新宿アルタ前市民集会で発言する枝野立憲民主党代表
新宿アルタ前市民集会で発言する枝野立憲民主党代表

 さて、問題は私にとっての、市民にとっての課題を見定めることである。10月12日の各紙朝刊には、「自公300超うかがう」(毎日)などの衝撃的な見出しが躍っている。小池新党が失速したおかげで、小選挙区制のもとで自民が漁夫の利を得るという構図だ。あろうことか、立憲民主党の候補者に「刺客」を立てるという小池新党の企てが、自民を後押ししていることは言うまでもない。その罪は万死に値する。
 安倍内閣の支持率は再び下落し、3割台にまで低下している。「安倍首相自体を信頼できない」との理由が多いことは、それが不可逆的であることを物語る。それなのに、なぜこうした惨状が生まれつつあるのか。
 それを考え抜き、課題に正面から向き合うことが必要だ。小選挙区制、異常に高額な供託金。要因はいくつも指摘できるだろう。それらを放置することはもはやできない。
 そして、独裁政治に対して、「草の根からの民主主義」によって立ち向かうには、市民自身が新しい市民政党を立ち上げ、候補者を育て、国会に送り出すことが不可欠だと思う。それこそが「立憲野党」の再編を促し、政治の光景の根本的変革をもたらす鍵になる。
 では、そのために何をすべきなのか。一人ひとりがまず考え抜くこと。そして、さまざまな場で討論が組織されるべきだろう。
 もちろん、当面は最悪の結果を回避するために、持てる力を立憲野党の議席獲得に集中すべきだ。そのうえで、市民は選挙結果を踏まえて、草の根の抵抗運動を強化すると同時に、今度こそ新しい道を切り開くべきだと思う。

LINEで送る
Pocket