東京入国管理局の被収容者70名長期収容に抗議のハンスト

「より良い人類の未来のために」要求書

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人権侵害に抗議 入管は受け取り拒否

東京入管(品川)で、5月9日の夕食から、Aブロックの被収容者22名が、再収容・長期収容に抗議してハンガーストライキを開始。11日の朝からは、Gブロックの被収容者13名も合流。その後も参加者は増え続け、70名に達した。抗議者は12の国籍(中国、パキスタン、イラン、ナイジェリア、他)にわたり、年齢は25~55歳。来日後、非正規滞在のまま働いて来た彼(女)らの滞在期間は、長い人で30年以上になる。入管は、要求書の受取すら拒否しため、ハンストは長期化。5月25日には記者会見も行われる予定だったが、23日、2週間にわたるハンストはいったん解除された。しかし問題は全く解決しておらず、入管の今後の対応をみるという。ハンストの要求書と支援の呼びかけを要約して紹介する。 (編集部)
 東京入国管理局の卑劣な違法行為に対し、我々は強く抗議し、人権と正義のために最後まで戦おうと決意しました。
 (1)仮放免について。東京入管において、一部の仮放免者は、特に住所変更の問題や、難民不認定異議申立棄却や、行政訴訟での敗訴確定などを契機と狙われ、再収容されています。皆、どうしても帰国できない事情を抱えています。ゆえに在留資格取得をめざしています。このような仮放免者に対する収容、とりわけ再収容は、本人と家族に人生を絶望させ、自殺未遂や疾病、あるいは自殺といった最悪の事態に至る重大な人権侵害です。
 仮放免者は現在、3600人以上にのぼります。就労を禁止されても、生活のために仕事をしない人はほとんどいません。ゆえにほぼすべての仮放免者は、就労禁止のルールに違反しています。入管は仮放免の取消し、収容をやめるべきです。また、仮放免を申請した後、1カ月以内に結果が出ることも必要です。
 (2)収容生活について。東京入管と東日本入国管理センター(茨城の牛久市)などの他の収容施設と比べると、差別化されています。被収容者の処遇に関しては、同じようにしなければなりません。

入管の待遇は全人類への罪

 (1)朝の点呼をなくすこと、もしくは東日本入国管理センターのように静かに点呼を行うこと。この収容施設は刑務所ではありません。我々は受刑者扱いされ、点呼開始から終了まで静かに座らされ、職員数名が部屋に入り、チェックしていきます。このような点呼はありえない処遇です。
 (2)電話の使用。東京入管から携帯電話にかける場合、1分間約80円の料金がかかり、今の時代に考えられません。就労禁止され、収入のない我々の家族や友人との連絡には、極めて重い負担です。 (3)フリータイム。9時半~12時までと、13~16時半までしか部屋の扉を開錠されず、1日18時間ぐらい狭い部屋で過ごすことは考えられません。夕食後にもう1回開放し、夜9時までになるように求めます。
 (4)食べ物と買い物。入管が提供する弁当は、あまりに味と栄養がなさすぎです。また、買い物できる範囲も厳しく制限されています。差別なく、他の収容施設と同じようにしていただきたいと思います。
(5)職員の対応。いきなり数名の職員に囲まれ、威嚇、恐喝のような言動がよくありました。職員の暴行で致傷された人も何人かいます。入管はこのような職員の職務を停止し、教育の徹底をすべきです。
 (6)診療問題。過去、東日本入国管理センターで相次ぐ死亡事件が発生しました。しかし、我々の診療問題は何も改善されていません。重篤な被収容者に対して適切な診察や治療を行わず、持病のある人は身体的および精神的な被害を受けています。生命と健康の責任を取るべきです。
 各国が難民に対する人道的な支援を行っている一方、日本の入国管理局は『人権宣言』、『日本国憲法』、国際法および『国際難民条約』などに反する卑劣な行為で、かつての戦争で全人類に犯した罪と同じような反人類罪を行っていると、強く訴えます。自由、民主主義、人権は人類共通共同の普遍的価値であり、恥を知らない卑劣な行為に対し良識や良心のある人々は黙ってはいけません。国際社会も厳しく批判すべきで、日本政府は改善しなければなりません。
 我々は、資料や事実に基づいてドキュメントリー映画を作ろうと思っています。人類が何百年の努力と犠牲で作り上げた自由と人権の信念は、揺らぎません。より良い世界のために、より良い人類の未来のために、我々は最後まで戦います。ご支援をお願い申し上げます。
【抗議先】東京入国管理局(総務課)℡ 03―5796―7250
 Fax 03―5796―7125
 〒108―8255 東京都港区港南5―5―30

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