3.11鹿児島 「福島を忘れない」─川内1・2号機の「定検後再稼働」強行弾劾

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3・12鹿児島集会に1300人

 

反原発・かごしまネット 事務局長 杉原 洋

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 3月12日、鹿児島市で「ストップ川内原発! かごしまパレード」の集会とデモがあった。約1300人が参加して、「福島を絶対忘れない」「川内原発の定検後再稼働の強行を許さない」「全ての原発を廃炉に」「人類は核と共存できない」と市民に訴えた。主催は県内98団体(市民グループ、労働組合、宗教者、生協、有機農業者など)でつくる「ストップ川内原発! 3・11鹿児島実行委員会」。
 この日は、6年前に福島第一原発1号機で水素爆発が発生、建屋が噴き飛んだその日だ。14日には3号機、15日には2号機と4号機でも爆発が起きた――複数炉のメルトダウン、水素爆発、放射能の大量拡散という人類史上最悪級の「原発災害」から6年が経ったが、事故原因すらはっきりせず、高濃度に汚染された炉心部には人間はおろかロボットが近づくのも思うようにはいかない。
 「原子炉緊急事態宣言」は今も継続中で、人々の暮らしはズタズタに分断されたままだ。拡散された放射能は、海や山や田や畑を汚染しただけでなく、甲状腺がんの異常なレベルでの発生となって子どもたちの健康をむしばんでいる。東京電力経営陣、政治家、官僚、科学者、技術者の誰一人として、事故と事態の責任を取った人はいない。
 鹿児島集会では、福島から鹿児島に避難してきて、今は関西に住む女性が訴えた。
 「私が鹿児島から関西圏に移ったのは、前の伊藤知事が川内原発の再稼働に同意したからです。原発を動かせばまた事故に遭うかもしれない。避難計画をつくっても全く機能しない。このままだと、鹿児島は福島の二の舞になる」。安心して暮らすためには原発を止めるしかない、というメッセージだ。
 大隅半島の先端・南大隅町から参加した女性は、「町内では、高レベル核廃棄物の最終処分場建設のうわさと、うごめきが続いている」と報告した。かつて同町では、東電や電事連などとコネのあるらしいブローカーが最終処分場誘致に暗躍したことがあった。町長がそのブローカーに白紙委任状を出していたことが明るみに出て出直し町長選となり、いったん鎮静化していたのだが、断念したわけではないのだろう。原発を動かし続ける限り、核のゴミは増え続ける。そのツケを過疎地に押し付けようという動きは、許せない。これは「エネルギー安定供給」を隠れ蓑にした「地方差別・分断」に他ならない。  
 川内原発のある薩摩川内市の南隣いちき串木野市から参加した男性の報告は、安定ヨウ素剤の配布についてだった。同市は全域が原発30キロ圏内にあり、万一の場合、市民全員の避難が要請されるからだ。「ヨウ素剤配布を求めるのは、それがあれば安心だからではありません。真っ赤なシートに入った丸薬を手元に置き続けなければいけないという『不安を抱えた生活』は、原発があるからなんです。そのことを考えてほしい」。

再稼働容認に傾く三反園知事

 鹿児島では昨年7月の知事選で、「脱原発」を掲げた新人・三反園訓氏が、原発推進の現職を大差で破って当選した。三反園知事は当選直後、熊本地震を視野に「川内原発の即時停止と点検」を九電に2回にわたり要請し(九電は即時停止を拒否・特別点検でお茶を濁した)、年末には「原子力安全・避難計画等防災専門委員会」を設置するなど、積極的に動いた。
 三反園氏は立候補に際して、脱原発を鮮明に掲げた別の新人との協議を行い、一本化にこぎ着けたいきさつがある。一本化の「政策合意文書」では、「(その専門委の)見解をもとに県としての対応を確立して行く」となっていた。
 しかし川内2号機の定検後再稼働は、専門委では一度も検討されていない。にもかかわらず知事は、「現状では(九電に対して)強い対応は取らない」と2月22日に議会答弁した。
 実際、昨年12月8日に日本で初めて定検後の再稼働に踏み込んだ1号機に続いて、2月23日夜には2号機の核分裂も始まった。地元紙などは「原発稼働継続を容認する姿勢を示した」と書き、出馬を見送った脱原発派の立候補予定者は「脱原発から容認へと路線転換した印象だ」と取材に答えている。
 このような事態を踏まえ、集会では3・11実行委の向原祥隆事務局長が、「三反園知事(の脱原発姿勢)は期待通りか」「期待外れか」と参加者に問い掛けた。「期待通り」に手を上げた人はほとんど見当たらず、「期待外れ」に多くの手が上がった。参加者の多くは、知事の「脱原発」姿勢を疑い始めているのだろう。
鹿児島県議会では、原発推進の自民県議団が圧倒的多数(定数51のうち37)だ。知事が本当に「脱原発」を貫くのか、妥協するのか。私たちは、ある場合には知事を励まし、またある場合には率直に批判して、鹿児島の脱原発エネルギーを確実に育てていかなければならない課題を負ったといえる。

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