沖縄・反基地運動の現在 辺野古の海にブロック投下

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国家暴力に抗し創意工夫の抵抗 問答無用強権安倍政治

 2月6日、沖縄防衛局が「辺野古の米軍新基地建設の本体工事に着工」と発表した。超大型作業船が辺野古の大浦湾に入り、7日から埋め立てのためのコンクリートブロックを海に落とした。県知事・県民の反対と、昨年の女性暴行殺害事件やオスプレイ墜落も全て無視して工事へ突入した。だが翁長知事は、埋め立て承認の撤回や3月末で期限が切れる岩礁破砕許可の更新を認めないなどの知事権限で対抗する構えだ。そして現場で多くの人々が粘り強く抵抗している。また昨年末にヘリパッド「完成式典」が行われた高江も工事と抗議は続き、3名の仲間もいまだに勾留されている。今後毎日情勢が激動するため、本紙では工事と阻止行動の状況を伝えていく。 (編集部・園)

【辺野古】基地建設工事再開を強行

 翁長県知事による埋立工事承認取り消しに関する裁判で国の勝訴を受け、政府は、昨年3月以来の工事を再開。1月に侵入防止用のネットを張った新型フロートを海に張り巡らせた。沖縄県はコンクリートブロック投下による海底への影響を確認するまで投下しないよう求めたが、防衛局は2月3日に県に回答したことで説明を打ち切り、作業を開始した。
 2月5日に200個以上のコンクリートブロックを積んだ大型台船4隻、大型ボーリング調査船「ポセイドン」が辺野古入り。抗議のために海へ出た住民の船に対し、海上保安庁のゴムボートが体当たりして阻止。定員オーバーになっても海保が船に乗り込み、船長を追い出して船を乗っ取り、岸まで操縦していった。その際1名が足を負傷させられている。カヌーに乗った抗議者も次々拘束。今後も、海保による暴力の加速が懸念されるが、多様な人々が抗議・阻止行動を行っている。
 6日朝からは、辺野古米軍キャンプシュワブゲート入口でも座り込みが始まった。海上工事の作業車輌を止めるためだ。機動隊による排除が繰り返し行われ、再び警視庁や大阪府警が辺野古入りする懸念がある。それでも同日は、防衛局による「海上工事本格着手」のリークで、コンクリートブロックの投下場面を撮影しようとマスコミのヘリが大浦湾の上空を飛び回っていたが、国家暴力にも負けず、工事車両や作業員の進入を止め、工事を遅れさせた。
 現在、ゲート前では毎週月~土曜の朝6時からの座り込みが続いている。海上カヌー行動への参加も募集中だ。多くの人が創意工夫をこらして行動すれば工事は止められる、と大結集が呼びかけられている。

【高江】ヘリパッド工事完成を阻止

 ヘリパッド工事は「完成」にほど遠い状態。「N1」ゲート前の座り込みテントは、毎日朝から夕方まで続いている。
 平日は毎日のように基地ゲートから作業員が入っているため、1月27日以降「集中行動日」として、毎週金曜日朝の座り込みへの参加呼び掛けが決まった。他の日も抗議は続き、2月6日は8時に入場する作業員を10時まで阻止した。今後の予定は、現地で確認を。

山城博治さんら3名いまも不当な勾留続く

 3名とも那覇拘置所に勾留中。3名の初公判は、3月17日10時。第2回は3月27日13時半から。場所は那覇地裁。
 救援の動きが全国化。1月12日には鎌田慧さんらの呼びかけによる記者会見と院内集会が開催され、会場からあふれる350名が参加。1月26日には1万8204人分の釈放要求署名を那覇地裁へ提出。山内徳信さんら「山城博治さんたちの早期釈放を求める会」が呼びかけた署名も3万9826筆集まり、1月17日に那覇地裁へ提出。現在、那覇地裁前では早期釈放を求めて2月6日から有志による「サイレントアピール」が開始された。朝9時から夕方5時まで。「思いをプラカードに託して集まりましょう!」と呼びかけられている。

東京MX沖縄ヘイト番組問題

 前号に掲載した「東京MX」の沖縄ヘイト番組問題。番組で「東京新聞」の長谷川幸洋論説副主幹が司会を務めていたことに対し、同紙が2月2日付け1面で「他メディアで起きたことであっても責任と反省を深く感じている。とりわけ副主幹が出演していたことについては重く受け止め、対処する」などとする謝罪を発表した。連続抗議行動や世論の成果。「東京MX」は申し入れに対しいまだに回答していない。

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