ぷりずむー1604号

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 高校2年1組の同窓会をやった。この1年間で死んだクラスメイトを偲ぶためだ。4人の写真を飾り、前に花束を供え、好きだった飲み物を置いた。クラスの人数は40名台だったので、この調子で減っていくと、10年で我がクラスは消滅する勘定になる▼まわりに病人が日常化し、死んでいく友人・家族を送り出していると、生命のことをよく考える。その起源を問い、最初の細胞の生成に思いを巡らし、進化の歴史に思いをはせる。「細菌と古細菌の偶然の出会い」「細胞の内と外とのやりとり」「進化が起きる原因」…好奇心がかきたてられる▼「命を大切にする社会」の内実が問われる。現在、地球上にいる生物は99・9%絶滅した残りだ。突然変異とか生存競争とかあんまり関係なく、運よく生き延びた生物種らしい。この射程からみると、人類もそう遠くない将来にウイルスか放射能で絶滅する▼思えば添加物、排ガス、農薬、重金属を幼少期から摂取し、メタボ系食卓、遺伝子組み換えと放射性物質でとどめを刺された我が世代の平均寿命が80歳を下回るのも、必然だろう▼「公害」を一身に集める世代として、この国の歴史と風土を創ってきた。だから今、体内にガン細胞を抱えても「不運ではあっても不幸ではない」。1960年代「公害と反戦」の経験を繰り返し教訓化できる主体として、「命とは何か」を問い「風土としての日本」を創り続けたい。 (I)

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