アラブ系国民のために活動するNGOを法的に迫害

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イスラエル、人権団体弾圧法を可決

7月12日「電子インティファーダ」シャーロット・シルヴァー

翻訳・脇浜義明

 イスラエル議会は、20以上ある人権団体に、活動資金の半分以上を外国から得ている場合、それを明らかにすることを義務付ける法律を通過させた。「透明性法」と言われるもので、人権団体に不法というレッテル貼りをする法律だと批判されている。
 これに対して、EUの欧州委員会は「イスラエルには活発な民主主義、言論の自由、多様な市民社会がある。新法はそれらの価値を損なうことになる」と、弱々しく警告した。
 6月、法務省は新法の影響を受ける団体のリストを公開した。ハアレツ紙によると、リストアップされた27団体のうち25団体が人権擁護や社会的公平の活動をする団体である。ベツェレム、フー・プロフィッツ、沈黙を破ろう、拷問に反対する公共委員会、などの有名な団体が含まれている。外国(政府)から資金援助を受けているNGOに的を絞り、海外の富豪や慈善団体や宗教団体から豊富な資金を受けている右翼入植者グループは対象外となっている。
 新法成立後、ネタニヤフ首相は、「この法律によって、イスラエル国民が知らない間に外国国家がイスラエルのNGOに金銭援助をして内政干渉するという馬鹿げた状況が防がれるだろう」と言った。しかし、過去3回の選挙に関してネタニヤフの公表された選挙資金を見ると、その90%が米国からで、そのうちの半分が米国の3家族から出ている。
 現在のイスラエルのハイファに拠点を持つパレスチナ人の人権を擁護する法律団体アダラーは、新法を「人権団体を迫害し、煽ることを目的としたグロテスクな策略」だと非難した。
 そもそも、イスラエルのNGOはすでに財源を登録機関に報告することになっていた。「二重に報告義務を課す新法は、政府の政策に反対する人権団体を指名手配にする目的だ」とアダラー。
 国連の人権問題専門家も、「同法が人権団体の言論を封じ、懲罰を課したり、何らかの制約下におくのではないか」と懸念を表明した。ジョイント・アラブ・リストのアイマン・オデー党首は、「同法の目的は、アラブ系国民のために公共の場で活動する数少ない団体を脅迫し、追い払うことだ」と、ガーディアン紙に語った。
 イスラエルの野党指導者イサーク・ヘルツォッグも同法を非難、「これは何よりもファシズムがイスラエル社会に忍び寄っていることを表すものだ」と記者団に語った。
 新法は、来年元日から施行される。

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