「国策裁判」に抗い、城崎さんに支援と連帯を!

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ジャカルタ事件・城崎勉さん集会報告

遙矢当

 9月17日、東京新橋にて城崎勉さん集会「俺がテロリストだと、しゃらくせぇ!城崎裁判は、理不尽な裁判だ!」(主催:城崎勉さんを救援する会)が開催されました。
 城崎勉さんは、読者各位がご承知の通り、1986年にインドネシアのジャカルタで発生したアメリカ大使館と日本大使館へのロケット弾発射事件の容疑者として、滞在先だったネパールでアメリカにより身柄を拘束され移送されました。
 裁判の結果、懲役30年の判決を受けましたが、2015年1月、刑期を短縮され釈放されました。2月20日に日本へ送還され、公安当局は、同じジャカルタ事件で、今度は日本大使館への攻撃容疑で逮捕しました。誰をも傷つけていないのに、殺人未遂罪で起訴されました。
 身柄を拘束されて以降、城崎さんは、事件への関与を一貫して否定してきました。
 集会は、城崎さんの帰国後、9月21日の東京地裁での公判を直前にし、開催されたものです。

一事不再理の原則に反する裁判

 集会は、まず、主任弁護士となる川村理弁護士が来場し、今回の城崎さんの裁判を目前にし「決意表明」を行いました。今回の裁判が「裁判員裁判」となることの異常性や、準備時間が短いため、城崎さんの裁判に専念していることなどが、近況として報告されました。
 次に、ゲストとして招かれた浅野健一・同志社大学大学院教授の講演が続きました。浅野氏は、城崎さんが関与されたとされる事件が発生したジャカルタで、1989年より共同通信のジャカルタ支局長として滞在した経歴を持っています。その経歴をもとに、現地ジャカルタの実情を浅野氏自身のエピソードも交え報告されました。浅野氏がインドネシアを日本政府の意向で国外追放された際、現地の人々の国民性や真の姿などがいかなるものだったか。浅野氏が述べるところでは、現地は「司法の独立」がないとされ、容易に操作が可能な現地の姿が、集会の参加者が城崎さんの事件を理解するために重要なものとなり得ました。
 その次に、救援連絡センターの代表を務める足立昌勝氏より、今回の城崎さんの裁判に対し問題点が指摘されました。既に外国(アメリカ)で確定裁判を受けた城崎さんが、再度日本で裁判を開かれるという事態が、憲法39条に規定された「一事不再理の原則」に反することが、特に強調されました。       足立氏からは、それでもなお開かれる今回の城崎さんの裁判は、いわば国策により開かれるものであり、かつ裁判員裁判による裁判になったことは、城崎さんに予め不利になるものであることも指摘されました。裁判員裁判は、「事実論」により展開され、今回で言えば、予め城崎さんに対するネガティブなイメージを持たされた裁判員が参加することがもっと問題視されるべきだ、とも述べられました。
 さまざまな司法上の問題点を抱え、さらに国策としての側面を持ち始めている今回の城崎さんの裁判に対し、会の最後にはさらなる支援が呼びかけられました。

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