ぷりずむー1591号

若い世代が、経験を積んだ世代の戦略とどうきり結ぶか?

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 シールズが解散した。発起人の一人、奥田愛基の弁「やっぱ誰がやっているかってよりも、関わる一人ひとりが大事だと思うんですね」。しかし「改憲(の)国民投票…に僕が関わるかどうかはまだわかりませんけど…国会前で声をあげた人たちが何もしないわけではないと思う」。「僕は関わらない」という発言に戦略的な解散という印象を受けた▼ 昨年7月、国会前のあの熱気の中で、彼らのスピーチには、しばしばぼやきが入った。「期末のレポートもあるし、バイトもあるし、来週、ここへ来るのは無理!」リーダーが、次はこない、という。ここは集まった人々はそれを笑いで楽しく受け入れている。基本、フラットなのだ。天は人の上に人を作らず、は民主主義の基本だ▼アウシュビッツ収容所跡の見学体験の話―自分が虐殺しないために、今声を上げる。スペイン内乱の市民の合言葉「ノーパッサラム」 (ファシスト通すな)が連呼される。「民主主義ってなんだ!」とレゲエ調で繰り返される。さりげなく提出される本質的な言語とリズム。それがその場の歴史を作り出す。ニュースではわからない空気が、権力と対峙している現場にはある▼シールズは野党共闘の実現に役割を果たした。しかし負けた。ここから生活をベースにした戦略へとどう繋ぐか? 若い世代が、経験を積んだ世代の戦略とどうきり結ぶか? 期待できる解散であった。(I)

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