4月25日、龍谷大学(京都府)でシンポジウム「龍大から平和を発信する」が開催され、200名が参加した。赤松徹眞さん(龍谷大学学長)、野田沙良さん(NPO法人アクセス事務局長)、稲田啓祐さん(学生・ARAWメンバー)らがパネリストとして参加した。
龍谷大学では、去年9月に国会で強行採決された「安保関連法」を受けて、ARAW(ALL Ryukoku Anti War)が、教職員・学生の垣根を越えて活動している。「安保関連法」に反対する学内緊急行動のほか、新入生にむけて学生・教職員が協同して社会問題を綴ったブックレット『今私たちが考えていること』を自費出版。また、学費・奨学金問題や非正規労働を軸に投票を呼びかけるリーフレットの作成・配布など、多岐にわたって活動している。今回は9条の会と共催して行われた。
ポイントとしては、(1)赤松学長から日本会議に対する批判的言及があったこと、(2)清水耕介さん(国際学部教授)から赤松学長に対して「ネット右翼を生んでいるのは私たち教職員ではないのか。大学が効率性を追求することで、教職員が多忙化し、学生と対話する機会を失っている」と提起したこと、(3)稲田さんからは基地や原発立地地域での現地行動参加の経験を話したうえで、「通学電車が、人身事故で止まることが多くなった。一方でJR西日本は過労自死問題でブラック企業大賞(2014年)を受賞した。利用客と従業員、双方が死に追いやられている社会だ」と、構造的暴力についてふれた。
他にも「軍事予算5兆円は、年収200万円以下の250万世帯に対して200万円給付できる予算額」(寺川史郎さん・法学部教授)、「私たちはフィリピンの貧困問題解決に取り組むNGOだが、安保関連法に強い危機感を持っている」(野田さん)などの発言が印象的だった、
閉会挨拶での「シンポジウムが終わったから、活動が終わるわけではない。これからも一層、運動に取り組んでいく」との言葉に、連帯を寄せたい。
(編集部・ラボルテ)