インド・トルコから来日 「私たちの国に原発はいらない!」

3/28  原発輸出反対 政府交渉

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ノーニュークス・アジア・フォーラム 福永正明

 安倍政権は、東電福島第一原発事故の収束の見通しもないまま、国内原発での再稼働のみならず、「原発輸出」を強行する。安倍総理のトップ・セールスによる「原発売り込み外交」は、アジア諸国、中東地域、中央アジアへと広がる。そして、各地での原発輸出反対・原発建設反対運動は燃え上がっている。
 多くのNGOや市民団体が、日本政府と原子力企業(日立、東芝、三菱重工など)による「原発輸出」に反対する運動を展開している。その中で、「ノーニュークス・アジア・フォーラム(NNAF)」は、20年以上もアジアの人びととともに反原発運動動を継続してきた。 その「NNAF2016集会」に、インド、トルコ、フィリピン、韓国、台湾、香港、そして国内各地の人びとが参加し、3月22日~24日に福島県いわき市で開催された。集会では活動の報告と問題提起が行われ、原発事故被害現地の訪問、住民との交流も行われた。さらに、海外参加者たちは、東京での「核と被ばくをなくす 世界フォーラム2016」に合流、3月26日の代々木公園での大集会・パレードに参加し、集会では脱原発と核廃絶のための討議が行われた。

インド・トルコからの参加者が官僚たちと対峙

 そして3月28日、インドとトルコの海外参加者は、院内集会・対政府交渉にも参加した。インドは「日印原子力協力協定」の交渉中であり、トルコでは2013年に安倍首相訪問で原発建設を契約し建設準備が進行する。まさに原発輸出に直面するインド2名、トルコ2名の参加者が、厳しい表情で官僚たちと対峙した。
 交渉冒頭、外務大臣らに対する「日本からインド・トルコへ原子力発電所を輸出しないでください」との要請書が読み上げられた。また、事前提出済の「質問書」に従い、外務省・エネルギー庁担当者計4名が回答した。

輸出国としての責任を放棄する政府

 政府による回答は、「福島事故の経験から、世界最高の安全性を有する原発を日本が世界に提供する」ことは『責務』である、と強調した。そして、日本の原発輸出は「世界には原発推進国はあり、相手国の要請に応じているのだ」と繰り返した。こうした「輸出相手国の政府の要請」にもとづくとしての輸出の正当化、原発事故への対応計画や自然環境や住民の生活を破壊する質問には、「相手国が対応するべき事項」との回答を繰り返すだけであった。官僚たちのこのような態度に対して出席者全員は、原発輸出当事国としての責任放棄であると確信した。
 これら「相手国に丸投げ」回答は、従来の政府開発援助(ODA)での自然環境破壊や住民強制移住問題などと同じである。原発輸出においてすら、「どのような避難計画があるか、反対運動については相手国の対応すべきこと」との回答であった。何ら「加害・輸出当事国」としての反省はなく、日本の原発輸出はこうした面からも厳しく批判されなければならない。
 「原発を売ってくれと頼まれたから、売るだけだ」と傲慢に述べる官僚を前にして、インドとトルコの参加者は、「私たちは福島の現実を見てきたところだ。あそこでいかに重大な事故が発生し、どのような被害が生じたかも知っている。そんな危険な原発を私たちの国に売るな」と厳しく詰め寄った。
 トルコのシノップ原発反対運動からは、原発が豊かな自然環境を破壊し、テロに対する安全保障の問題もあることを指摘した。インドからの参加者は、「人間は万能ではなく、自然とともに謙虚に生きていかなければならない。原発と核兵器は、人類の生存に最も反する」と、強く英語で直接訴えた。また、インドのクーダンクラム原発反対運動の撮影を続けてきた写真家は、自らの「写真集」を外務官僚に手渡し、「私たちの国には原発はいりません」と断言した。

日本はどこにも原発を売るな!の声を

 世界の原子力産業界は、福島原発事故などなかったかのように原発を売り続ける。その先頭に立つのが「原発輸出での原子力産業の生き残り策」を強行する安倍政権であり、日本の原発メーカーの日立・三菱・東芝各社である。これら各社は、福島事故の責任を一切負わず、平然と海外への売り込みを続ける。
 核廃絶を外交方針としてきた日本が、核拡散防止条約を否定して非加盟のインドと原子力協力を行うことは、インドに「原発と核兵器の増産」を認めることになる。安倍政権の「原発輸出」政策は、戦後の日本外交の歩みを大きく転換する。
 国内原発の再稼働だけでなく、世界各地への原発輸出も、我々が直面する重大問題である。「日本はどこにも原発を売るな!」の声をあげ続けなければならない。

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