4月11日(火)18:30開始(3時間弱)
オンライン
資料代:500円
報告:青井赤太郎(政治学者)
参考文献:中北浩爾『自民党-「一強」の実像』中公新書、2017年/
大井赤亥『現代日本政治史ー「改革の政治」とオルタナティブ』ちくま新書、2021年。
「現代日本政治における三極構造とオルタナティブの展望――求められる政治的選択肢とは」
主催:ルネサンス研究所
連絡・申込 renaissanceinstitutetokyo@yahoo.co.jp 「参加希望」のメールをお送りください。
こちらからの確認メールで資料代の払い方をご案内します。
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「昨年7月の安倍晋三元首相殺害から、日本政治の漂流が止まらない。
一方では、「アベ友」と揶揄された人たちの凋落が急速に進んでいる。
まず東京オリ・パラ組織委員会の高橋治之元理事が逮捕・起訴された。テレビ番組やネットで安倍政権を擁護し「桜を見る会」にも招待されていた評論家の三浦瑠麗も、
である三浦清志氏が代表を務める投資会社(トライベイキャピタル)が太陽光発電事業への出資をめぐって10億円をだまし取った詐欺容疑で告訴され、
年1月19日に東京地検特捜部によって家宅捜索を受けた。これ以降、三浦瑠麗はテレビ番組にほとんど出られなくなった。
安倍晋三元首相の「秘蔵っ子」として次期首相候補とされた高市早苗経済安保担当相も、かつて「停波」をちらつかせて民放を恫喝したことが今国会で追及された。
岸田首相は高市早苗をかばう積りがないようだ。
他方では、統一協会と自民党その他との癒着がうやむやになりつつある。自民党の政治家たちが程度の差こそあれ選挙に際して統一協会の強力な支援を受けてきたことが暴露され、
また自民党改憲案と統一協会の主張とが一致していることは偶然ではないにもかかわらず、このことを追及するマスコミの動きは日に日に鈍くなってきている。
岸田政権はウクライナ戦争が終わらないことを口実にして大軍拡と米国・NATOの対ロ包囲網への追随を続けている。
極東における中台の緊張に対しても米軍の関与を継続させる「緊張激化」の路線しか打ち出せていない。物価高や景気後退に関しても岸田政権には積極的な対処が見られない。
そして5月中旬には広島サミットが開催される予定だ。ウクライナへの「西側」の一致団結した支持と支援が決議されるのだろう。
このまま統一地方選挙に突入してしまって良いのだろうか?
今回は気鋭の政治学者に情勢を分析してもらい、今後の日本政治が向かうべき道を大胆に提起していただく。そのスタンスはリベラル中道だ。
私たち「共産主義のルネサンス」を掲げて発足した団体とは確かに立脚点が違う。にもかかわらず、あるいはだからこそ今の日本の現状を変革するための現状認識は共有できるはずだ」
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「1993年の自民党分裂以来、日本政治は混迷と漂流の中にある。55年体制における「保守・革新」の対立軸は後景に退き、1993年の政界再編以来、
「改革」が政治変革の結集軸として日本政治の中心に躍り出た。1993年以降の日本政治は、国家の役割や行政のあり方をめぐり、無視しえない例外はあるものの、
「保守・旧革新・改革」の三極構造のなかにある。このような図式のなかで、旧来の左派勢力は著しく弱体化し、市民社会の現状とかけ離れたまま、縮小衰退を余儀なくされている。
2012年の安倍政権以降、古典的な右傾化を進める「安部一強」の下、とりわけ2015年の安保法制反対運動に促される形で、
日本政治の対立軸は一時的に安倍政権への賛否をめぐる形で引き直され、自公ブロックに対する野党共闘が促された。
しかし、2021年衆院選が示したのは維新の躍進であり、それは「自公vs野党共闘」には収斂されない市民社会の世論を示すものであった。
その結果、「自公(保守)・民主党系野党(旧革新)・維新(改革)」という三極構造は依然として継続されている。
そしてこの「自公(保守)・民主党系野党(旧革新)・維新(改革)」の三極は、2012年以降の10年間にわたり、国政選挙における比例得票率を見れば、
ほぼ「3・2・1」に力関係の下に安定的に推移している。本報告では、「保守・旧革新・改革」をめぐる三極構造を説明しながら、
2012年以降の安倍政権の10年間を分析し、これからの展望を論じたい(青井)」。