ルネサンス研究所2019年1月定例研究会 テーマ:「象徴天皇制と国家権力――反差別と階級闘争のために」


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1月21日(月)18:05開場(直前まで授業で教室が使われています)、18:30開始
会場:専修大学神田校舎1号館4階41教室
資料代¥500
(報告)羽黒仁史(首都圏の学生活動家)
2016年8月8日の天皇明仁による「八・八メッセージ」以来、にわかに天皇主義者たちが擡頭しはじめた。
それは、第二次安倍政権成立以来の横暴に対するカウンターであるという認識のもとに天皇のメッセージを解釈することで、戦後民主主義の防波堤としようとするものである。
戦後民主主義を破壊しようとしている安倍政権は、まさしく議会制民主主義による国民主権、つまり戦後民主主義の制度によって権力を有しているというその矛盾、戦後民主主義を否定する勢力が戦後民主主義の制度の基盤に立っているというその矛盾によって、戦後民主主義=議会制民主主義と接続したかたちで反安倍闘争を行なう勢力を苦境に追い込んだ。
国民とは日々の投票のことであるならば、反安倍勢力は安倍政権に対抗できるほど、国民を代表しえていないのである。それを解決すべく、国民の代表ではなく天皇という日本国(民)統合の象徴という回路が要請されるのだ。その情況はまさしく戦後民主主義がその極限において天皇制民主主義であるほかないことを示している。
 しかし、天皇代替わりの日程が5月1日というメーデーの日であること、そしていまさら言うまでもなく天皇制がさまざまな差別の根源であるということ、かかる存在である象徴天皇に統合されることが、いかなる問題を孕んでいるのか。
いかなる問題を隠蔽するのか。わたしの発表では主に階級闘争と反差別という視点から、国民統合の装置である象徴天皇制がその根柢においては安倍政権の反動的思想と通底していること、したがって戦後民主主義と反差別は決して両立し得ないということ、そして天皇の存在が時の政治家よりも「マシ」な政治家が存在すると思わせることで階級権力による統治を維持するだけでなく、また階級格差を隠蔽する資本主義的装置であることなどを提起してみたい。
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今年は春に統一地方選挙、夏前に参院選があり、メーデーの5月1日には改元のための即位の式が目論まれています。
こうした一連の動きは、結果次第では安倍政権の改憲の動きをさらに加速させるものになりかねません。「戦後レジームからの脱却」を掲げて登場した第1次安倍政権(2006年)以来の戦後日本国家の右翼的再編=戦後破壊の策動に対し、私たちはどう向き合うか、これがいま問われています。
今回の1月定例研究会では、この間、改憲反対・象徴天皇制打倒の課題を担う青年運動・学生運動を首都圏で組織しようとする大学生から、報告=問題提起をしてもらうことにしました。
いま若者たちは、安倍政権の改憲発議、象徴天皇制の強化、日米安保、沖縄問題、歴史認識などの問題をどう見ているのか。激動が予想される年の幕開けにふさわしい活発な議論を交わしましょう。
主催:ルネサンス研究所

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