10月13日(火)18:00開場18:30開始、21時終了
会場:専修大学神田校舎7号館8階782教室
資料代:500円
(報告)山崎春美(バンド・ガセネタのヴォーカル)/横山茂彦(作家)
ルネ研の10月定例研究会は、昨年8月に刊行された横山茂彦著『男組の時代』(名月堂書店)の合評会として開催されます。1974年春から始まり、途中で中断(1977年)を挟み、
1979年秋に終わる青少年向け劇画(週刊『少年サンデー』連載)である『男組』(原作雁屋哲・画池上遼一)。
あの時代に、なぜ高校生の番長が争いあう学園紛争ものが大ヒットしたのか。暴走族、少年刑務所、中国拳法、アメリカンフットボール、『男組』の細部を彩る
アイテムはどうして選ばれたのか。1960年代末の東大闘争を体験した原作者の雁屋哲は、あの劇画にどのようなメッセージをこめたのか。
1978年の三里塚(成田)空港の開港阻止決戦があの漫画には反映されているという。
1960年代に始まったとされる青少年向け漫画の新展開以降の流れをおさえつつ、戦後日本のサブカルチャーの変遷のなかに『男組』を位置づけることで見えてくる
ことは何か。今回は、ご自身も80年代以降の日本のサブカル・シーンで活躍されてきた山崎春美さん(バンド・ガセネタのヴォーカル)の報告と
筆者・横山茂彦さんの報告を受け、全体で議論をします。サブカルチャーについて熱く語り合う回です。
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『男組』は、七〇年代中盤から終わりに掛けて週刊『少年サンデー』に連載された。
単行本にして全二十五巻。「男組の時代』(2019年8月名月堂)は、この劇画漫画にぞっこん惚れ込んだ横山秀彦氏が執筆した解説本、乃至は「解読」本であって、
あたかも「ゲーム攻略」本の仕様を模して、むしろアイドル関連書にも似た「応援」企画本の体裁になったのはしかし、
連載時に二度ほど映画化はされても、その後に続編やスピンオフのない同作品への深い「愛」から生まれたと言える。
「武道・格闘技」であるともに「政治ドラマ」劇画だとする横山氏が、この物語を通して汲み取った原作者・雁屋哲の思いを探るとともに、私的な読解も行ってみたい。
以下は抜粋である。
【政治の背後にはつねに「強制」や「暴力」がともなわれている。したがって『男組』のなかに顕れる「暴力」は、政治のあからさまな姿を剥き出しにした危険な政治学なのである。
政治が政治であるかぎり、国家というものが個人の上に立つ以上、それは絶対に避けられない。だからこそ政治の死滅という人類史的な命題を、この物語は俎上にあげようとしているのだ。】 (山崎春美)
拙著『男組の時代』(名月堂書店)の合評会が看板ですが、漫画文化全般について議 論したい。『男組』は1974年春から1979年秋に連載された作品です(原作雁屋哲・画池上遼一)。
1960年代に始まった青少年向け漫画の新展開以降の流れをおさえつつ、戦後日本のサブカルチャーの変遷のなかに『男組』を位置づけることで見えてくること。
同時期に同じ学園番長ものとして、男女に愛読された『愛と誠』との比較論など。今回は、ご自身も80年代以降の日本のサブカル・シーンで活躍されてきた山崎春美さんの報告を受け、
全体で議論をします。漫画文化ーについて熱く語り合いましょう。『愛と誠の恋愛論』草稿、漫画史レジュメを準備(横山茂彦)。