19年を振り返って一番印象的なのは、安倍政権が徴用工問題を契機に、輸出規制等で韓国と全面的に対決して関係が非常に悪化したこと、しかし日本人の多くが「韓国側が悪い、国際法に反している」という政府や右翼の宣伝に乗せられたことだ▼植民地支配下の反人道的な不法行為に対する「強制動員慰謝料請求権」は日韓請求権協定の対象外であるという主張はまともなのに、繰り返しメディアで「日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決済み」ということで、韓国を「国と国との約束を破る国」と決めつけて国民を洗脳している。嘘も百回言えば真実になるの典型例だ。慰安婦問題と同じだ▼経済的現実を無視してでも右翼的・ナショナリズム的な姿勢で韓国に臨んだ点で、安倍政権が右翼性を示したのに、リベラル系メディアも含めて日本の論調が「韓国が間違っている」になったことが恐ろしい。太平洋戦争時と似ている▼慰安婦の「日韓合意」でもそうだが、韓国の当時の政権が結んだ不十分な内容の条約に拘泥し、「解決したからいつまでもぐちぐちいうな」と、歴史に向き合わないのは、貧乏人に金を超高利で貸し付け、脅してサインさせ、「この証書があるんじゃ」と金をむしり取るのと同じだ。(H)