前回、本欄で「物も人も、使い捨てるのではなくメンテナンスする」ことが必要ではないか、と書いた。そう言っているそばから、使っているスマホのバッテリーがへたってきたので、言行を一致させようと、ネットで調べてバッテリーとスマホの裏ブタを開けるための精密ドライバーを購入(合計4000円ほど)、バッテリー交換に挑んだ。しかし、ネジが固く、3分の1ほどのネジはナメてしまって回せなかった▼同等のスマホは、新品でも2万数千円で買える。かえって高くついてしまってはと心揺らぎながら、日本橋(大阪)のネジ専門店を訪ねた。しかし、「まあ、このネジでナメてしまったら無理やね」と、つれない返事。仕方なく、携帯修理店に行って「裏ブタだけ開けてもらえないか」と依頼するも「無理っすね」と撃沈。バッテリー交換どころか、フタを開けることすらできなかった▼あたりまえだが、メンテナンスには技術が必要だ。それを外注してしまえば簡単なのだろうけど、なるべく自分で手がけたい。人との関係もまた然り。何でもカウンセラーやら専門家やらに依頼するのではなく、自分たちでメンテナンスできるようにしたいと思う。撃沈することもあるだろうけど。(こ)