日本共産党は、ついに「しんぶん赤旗日曜版」11月10日号で、鎌塚由美記者による香港民主化運動の現地ルポを掲載した。それはレ・ミゼラブルの劇中歌「民衆の歌」にはじまり、香港の民主主義と自由のための共同体について述べる香港の大学教授の言葉で終わる。
このルポはそれまでの報道とまったく違う。8月17日の「しんぶん赤旗」は、人民日報に次ぐ中国共産党政府系新聞、環球時報を論評なしで引用し、中国駐英大使の記者会見を論評なしで掲載している。中国の香港への直接介入の可能性を述べたこの記事と、11月10日の記事は雲泥の差である。
この間に生じているのは、日本のブルジョアマスコミの香港民主化運動への同情的な報道が目立ち、日本民衆のあいだに中国政府批判と香港市民への同情が形成されつつあることだ。
だが共産党は、1998年の日中共産党の両党合意があり、それに明記された内部問題への相互不干渉を遵守しなければならない。だから共産党にできるのは香港市民への好意的な報道と、中国党官僚への水面下での苦言だ。友党の離反は中国共産党に好ましいことではない。これも香港市民連帯のための行動となる。
日本の社会運動はさらに香港連帯が必要だ。ああ、夢の日本労働者のストライキ! もし沖縄人民が香港のように闘ったら、我々はその蜂起の性質ゆえに支持をためらうだろうか?