天皇即位式・大嘗祭反対 各地報告(2)
前号に続き、天皇即位式・大嘗祭への全国反対行動を現地情報をもとにお伝えする。(編集部・園)
〈 札 幌 〉
札幌では、即位式直前(10月16日)にデモの主催者1名が不当逮捕された。亡くなった友人の遺言に基づいて、銀行口座から現金を引き出したことが「窃盗罪」という。同グループは、昨年、大阪でも銀行口座が弾圧されている。誰もが当たり前に行う銀行送金を犯罪化し、仲間の支えあいを引き裂こうとするのは、本紙編集長への弾圧と同じ。
それでも即位式反対集会・デモは、北海道高等学校教職員センターに約27人が集まり行われた。実行委は「神話に基づく神道儀礼を国事行為で行うのは憲法違反」と批判。沖縄辺野古「ヘリ基地反対協議会」共同代表の安次冨浩さんは、沖縄と天皇制をテーマに「天皇制を守るために戦争を長引かせた結果、沖縄は県民の4人に1人が死ぬ地上戦の犠牲にされた」と話した。集会後、大通公園へ向けデモ行進した。 (被弾圧者は11月1日に釈放。14日の大嘗祭抗議行動も行われた)
〈 東 京 〉
首都高を全面通行止めにするなど戒厳体制。10月22日の即位式反対デモには500人が参加したが、警視庁は3名を公務執行妨害で逮捕。全国から抗議が集中し、31日までに全員釈放された。
11月14日、皇居前・東京駅丸の内広場に150人が集まり、大嘗祭抗議集会が行われた。フェミニストグループ「紅一点」や「女性と天皇制研究会」は、社会に蔓延する女性差別の元凶は天皇制の家父長制であることなどを批判。東日本台風災害を無視して強行された即位パレードと過剰警備も強く批判された。12月7日には「終わりにしよう天皇制」大集会&デモが千駄ヶ谷区民会館で行う予定だ。
〈 大 阪 〉
即位式(10月22日)・大嘗祭(11月14日)には、300人が中之島中央公会堂前に集まり、西梅田公園へデモした。「大嘗祭は天皇が急造した鳥居の下に布団をしき、夜中にセックスの真似事をして人から神へ生まれ変わるというおぞましい儀式。これを許し、莫大な税金を使わせてはいけない」と発言(14日、参加者)。「森友学園問題を考える会」からは、「(同疑惑は)天皇を絶対視する教育勅語を教え込むような学園だから反対を始めた。天皇制にも安倍政権にも反対しよう」と訴えた。
デモでは、元「在特会」が、「非国民! 名ばかり労働組合! こんなデモやらせてすいません!」と罵声を浴びせ続けた。警察に守られながら妨害する右翼。警察権力の本音を右翼に言わせる構図だ。
不当逮捕が続いているが、天皇制への怒りはさらに増幅している。