暖気と寒気がぶつかると、そこに前線が発達して雨が降る。ときには線状降水帯などになって尋常ならぬ大雨を降らせ、各地に災害をもたらす。気象も二極化すると破壊的作用をもたらす。牽強付会にすぎるかもしれないが、社会の二極化と気象の二極化は、つながっているような気がする▼話は変わるが、虐待を受けてきた子どもなどは、養護施設に入った当初には、刺激の強い食べ物にしか味覚が反応しないという。味覚だけではなく情報についても、刺激の強い情報にしか反応しないそうだ。しかし、だんだん自分が「ここにいてもいい」と思えるようになると、刺激の弱いものにも反応するようになるという▼某番組に「ボーっと生きてんじゃねえよ!」というセリフがあるが、番組自体はおもしろいと思うものの、「ボーッと生きられる」ことは大事ではないかと思う。生産性ばかりを追い求めた結果、ボーッと生きられる場がどんどんなくなってしまって、社会は二極化し、ひたすらがんばる人と、希望を失ってがんばれない人に二極化している。生産性は上がっても、その生産がもたらす二酸化炭素によって、気象も二極化している。大雨のニュースを見ていて、そんな想念が浮かぶこの頃だ。 (こ)