【現地レポート】急速に進む軍事基地化 容認する市民意識をどう変えるか?柴田 鉄也(沖縄・関西で幅広く活動中、32歳)

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宮古・石垣・与那国 平和行進

不動産バブルに 湧く市街地

 日本山妙法寺の沖縄在住の若い上人のお誘いで、宮古・石垣・与那国の平和行進(7月11日~26日)に参加した。3月末、宮古島に警備部隊380人が配備され、防衛大臣が出席する開所式典を行っている。私は昨年9月、「女たちへ」の碑建立10周年集会に参加してから2回目の宮古島訪問だった。  

宮古到着後、空港から市街地へ歩き始めたが、反応がいいとは言えなかった。建設ラッシュで不動産バブルだと聞いてはいたが、宮古の住民が恩恵を受けているようには見えなかった。行進メンバーは、12~80歳の9人。日本山妙法寺の縁のある人、辺野古で活動する人と、さまざまだった。  

2日目は、弾薬庫と射撃訓練場の建設計画のある保良地区へ行った。保良鉱山の会社内部は配備賛成一色でないというのが現状のようだ。近くの東平安名崎は海上保安庁の射撃訓練場予定地となり、「自衛」や「保安」は国家によって容易に「軍事」に変えられると感じた。  

3日目は、宮古島のハンセン病療養施設、南静園を訪問。明治維新以降、日本が台湾・琉球・朝鮮への植民地主義国家になる過程で、健康な身体を持つ男性・日本人を基準としたイデオロギーが、病人や先住民を排除した。現在も、国民とは見なさない人間は人権を持つに値しないという政治体制に変わりはない。  

推進派市長と「容認」に傾く住民

宮古列島西部の伊良部島でも海上保安庁・11管区の巡視船が接岸する港があり、2、3隻停泊していたが、これを10隻ほどに増やす計画だという。また、観光地でもある砂浜が日米合同軍事訓練に使われる疑いがある。強襲揚陸艦の上陸作戦に最適なのだろう。その様子の写真が米海兵隊のFacebookにアップされていたが、現在は削除されている。  

隣接する下地島空港は、最近民間空港として開港され、3000mの滑走路を持つ。稲田元防衛大臣の発言どおり、普天間基地返還の条件に2800メートル級の滑走路を用意することが含まれていることを考えれば、下地空港を米軍が使用することもありえると思えてならない。  

最後に、行進団は千代田と野原にご祈念に行った。御嶽(琉球の信仰における祭祀などを行う施設)が計画よりも違法に伐採されており、4000㏊ほどあったのが今では700㏊ほどしかない。グラウンドと称した土地は、作業ヤードなのか、盛り土されたヘリパッドなのか見分けがつかないが、給油所と弾薬類のある保管庫が近くにあり、輸送もしくは攻撃ヘリが離着陸するヘリパッド、またはオスプレイパッドに使われないとは言い切れない。  

360度見渡せる監視カメラがあちこちに設置され、街の巡回バスも千代田の自衛隊基地の中に入っていく光景を目にし、私に何ができるのだろうと自問自答する。千代田・野原地域も容認に変わって、現在の市長は自衛隊「容認」で辺野古新基地の県民投票を住民にさせない方針だ。辺野古だけではない、軍事主義・軍事化そのものについて社会と人々の意識を問い直す活動が求められると感じた。  

宮古島も多くの慰安所の設置が、住民の証言で明らかになっている。軍隊の構造的暴力(=性暴力)を受けた女性たちの存在や記憶に、私(たち)の今後の行動でどう応え、どう振る舞うのかが一生の課題だ。

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