性加害を免罪し、嘲る社会への対抗運動
3月以降、性的暴行や虐待の加害者に無罪判決が相次ぎ、声を上げた女性に対してSNSで弁護士が冷笑することが起こった。こうした状況に怒り、悲しんだ女性たちによる対抗運動が「フラワーデモ」だ。4月11日に東京で始まり、その後、大阪、福岡、札幌、仙台、名古屋、神戸、下関、鹿児島など日本各地で、毎月11日に開催されるようになった。7月11日に大阪の中之島公会堂前で行われたデモについて、レポートする。 (編集部 園)
11日19時から始まったデモは、中央公会堂前では100人近くの人が円形に座り、真剣な面持ちで語り合っていた。男性も2割ほどいて、また、外見から外国人と思われる人も参加していた。「フラワーデモ」との名のとおり、花を持っている人、花柄の服を身に付けたりした人々が多い。
性犯罪への罪の軽さへの問題提起がなされた後、人々は自らの性被害や女性を性的に消費する社会への怒りを語り、他の人々は静かに聞き入っていた。女性たちはSNSで性的な誘いを繰り返される恐怖や、セックスワーカーが性被害を警察に訴えても、職業を理由に差別的な対応をされた苦しみや怒りを訴えた。
また「女性と分かる形でツイッターをしていると、出会い系メールが頻繁に来て本当に嫌だ。それは現実の性暴力につながりうる」「女性を性的な対象としかみなせない男性のあり方は、人と貧しい関係性しか築けないということだ」「セックスワーカーに対する偏見をなくして」という問題提起もなされた。
熱のこもった言葉で経験や感情が共有され、デモは静かな盛り上がりを見せていた。暴力や差別についての根源的な問題が丁寧に語られる、大切な場だと感じられた。
雨が降ってきたため、主催者より8月11日に同じ場所・時間で開催されることが告げられ、デモは解散したが、言葉を交わし続ける人々は多かった。