異常発生で大阪空港に緊急着陸
4月1日、米軍機オスプレイが「警告灯が点灯した」として大阪国際空港(伊丹空港)に緊急着陸した。これに対し、大阪国際空港周辺都市対策協議会(大阪国際空港近隣の10の自治体で構成、通称「10市協」。会長は伊丹市長)が抗議の書面を防衛相・国交相・空港を運営する関西エアポート(株)あてに送った。10市協に加盟する豊中市の木村真市議に話をきいた。
※ ※ ※
民間空港、しかも混雑空港であり、人口が密集する都市部に位置する空港に、米軍機、それも、たびたび事故を起こし、欠陥機ではないかと言われるオスプレイが緊急着陸しました。日本側の立ち会いは認められず、防衛省(近畿中部防衛局)も蚊帳の外です。
異状発生による緊急着陸とのことで、消防が派遣され、豊中市への最初の連絡は消防局に入り、そこから空港課へ、さらに議会へ情報提供がありました。
「情報提供」と言っても、ただ「緊急着陸した」というだけ。米軍機なので、連絡窓口は近畿中央防衛局ですが、防衛局は、米軍からの情報提供を待つだけで、自分から情報提供を求めようとしません。どんな異状か、どうやって解決したのか、どこからどこへ飛んでいたのか、なぜ伊丹なのか等々、何も知らされないのです。
「岩国から厚木へ飛んで行った」と書いた新聞がありますが、私が防衛局に直接電話をして聞いた時には、そんなことは言っていませんでした。どこからの情報でしょうか。
緊急着陸ですから、近くを飛んでいたわけで、ひょっとするとオスプレイは日常的に京阪神地域の市街地上空を飛んでいるのかもしれません。
防衛局に問い合わせたところ、「一般論として市街地の上空は飛ばないよう要請しているので、飛んでいないはずだ」と、米軍に問い合わせもせずに返答しました。「『はずだ』も何も、現に緊急着陸しているではないか」と、問い合わせを要求しても、取り合おうとしません。
予定外のオスプレイ離発着により、空港ダイヤに乱れも起きました。迷惑千万です。
緊急着陸当日、10市協会長である伊丹市長の名で情報提供を求める要望書を提出。翌日には改めて、表題に「抗議」という文言を含む文書を送りました。5年前にも米軍ヘリが緊急着陸し、その際10市協は、「今後、緊急着陸するときはきちんと情報提供してほしい」旨を申し入れています。にもかかわらず今回の対応です。尼崎・宝塚市長の強い要望で抗議に切り替えたと聞いています。
※ ※ ※
木村議員は議会の質問で「情報提供されない大きな要因として、日米地位協定の存在がある。抜本的改定を国に対して求めるべきだ」と糾したが、市当局はあいまいな答弁でかわした。 (編集部・村上)