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　老後のために2千万円いるらしい。国家は「国民」生活の面倒を見ない。「国民」に養われると想定された低賃金の女性非正規労働者や、外国人は言うまでもない。仮に貯めるなら正規職の必要があるが、非正規率は上昇している。問題は老後以前に、現在の健康保険代を払う次元にある▼非正規が増えれば企業は儲かるが、国家的にみれば税金や年金を支払い続ける経済力のある労働者が減少する。しかし国家は税金を払う納税者すら育てない▼企業や富裕層は、非正規が正規である場合に払いうる税金を補填し国家維持に貢献する「愛国心」など持っていない。麻生発言抗議デモに対し、ホリエモンは「そんな時間があったら働いて納税しろ」とツイート。しかし、働いても時給が安ければ納税できないのは当然だ。かれらは非正規が納税者になりえない状態のおかげで稼いでいるのに、自らの収入源を「税金泥棒」と攻撃している▼国家は新天皇やらオリンピックで「国民」的一体感を創り、納税者になりえない人々をボランティア動員して搾取する。罪悪感と無償労働の悪循環を断ち切るのは、選挙で選ばれた政治家ではなく、悪循環を生き抜いている人々の手だ。　　（K）

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