ヘイト&組合弾圧と闘うための大学習会
6月7日、「ヘイト・スピーチ法研究原論」(2019年、三一書房)の著者、前田朗氏を講師に招き、「ヒゲ戸田×パギやん共謀企画・ヘイト&組合弾圧と闘うための大学習会」が浪速区民センターで開催される。
特別報告では、弁護士として性的マイノリティからの相談に多く対応し、自身も戸籍上は男性だが女性として弁護士登録した仲岡しゅん氏と、労働者側労働事件と入管事件を中心に弁護士として活動する中井雅人氏が、「弁護士から見たヘイトと労組弾圧の現状・現場」をテーマに発言する。
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今年でヘイトスピーチ対策法成立から3年を迎える。しかし、「ヘイトスピーチとは何か」というガイドラインすらつくられていない。川崎市児童殺傷事件では、「犯人は在日韓国人」というデマがインターネットで拡散されるなど、凶悪事件や災害のたびにヘイトが繰り返され、対策法ができても差別は野放しだ。
また、現在の法律では、選挙活動に名を借りたヘイトスピーチを止められない。さらに、特定技能1号で在留する外国人は、通算5年以上の滞在が許されない「使い捨て」状態に置かれ、家族帯同も認められない。
国士舘大の鈴木江理子教授は、5月29日、東京で開かれた、外国人差別の現状と対策を考える集会で、「入管法改正に合わせて政府が示した対応策では、参政権の問題や義務教育からの排除といった制度的不平等、就職差別や入居差別のような実質的不平等は解消できない」と指摘し、参加者は、外国人人権基本法と人種差別禁止法制定を求める決議文を採択した。 (編集部・村上)
ヘイトスピーチ
人種、出身、民族、宗教、性的指向、性別、容姿、健康(障害)といった、自分から主体的に変えることが困難な事柄に基づいて、属する個人または集団に対して攻撃、脅迫、侮辱する発言や言動のこと。