編集部が、リレー形式で時事問題を斬る!
戦後の「民主教育」を受けてきた私にとって、日本国憲法は「世界に誇る平和憲法」であって、その3大要素は、「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」だと教えられたように記憶している。同時に天皇は「国民の象徴」とも教えられたようにも思うが、「戦争犯罪者」がなんで「象徴なの」と思ったことも覚えている。
民衆の自立や権利の観点
本紙1680号一面の太田さんの記事の中に「私たちは9条の重要性を強調するばかりで、民衆の自立や権利の観点から見た時に天皇条項が不可避的に持つ矛盾や非理論性を十分には批判してこなかった。……裕仁の戦争責任を覆い隠す『象徴規定』を歴代政権は大いに活用してきたが、私たちにはそれを見過ごしてきた責任がある」との記載がある。
私自身も天皇制廃止を訴え、憲法前文と3大要素は語っても、象徴規定は語ってこなかったように思う。「象徴規定」の誕生は日本国憲法第一条に「【天皇の地位・国民主権】 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」とある。大日本帝国憲法第1条は「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」とあり、戦前戦中の人は「神のごとく絶対者」と教えられ、戦後生まれの人は最初から「国民統合の象徴」と教えられる。
権威付けて利用?
両方とも第1条は天皇規定から始まっているのも意味深い。「国民総意に基づく」と言われながら、憲法発布から現在に至るまで、未だかつて「天皇についての自由討議」が組織されたり「国民の総意」なるものをはかられたりしたことがあるのかと思う。「総理大臣や最高裁判所所長の任命(第6条)や国会の召集等(第7条)」など儀式化する事で「象徴天皇」を権威付けしようとしているのかとも思う。
マスコミは、世間はお祭り騒ぎのように代替わりを祝っていると言う。「国体(天皇制)の維持」を固守する日本支配層の執着とGHQの占領政策円滑化のための天皇利用としてできた象徴天皇制。いま改めて「象徴天皇制」・「象徴天皇」てなんやねんと思う。