【イギリス労働党】左派ユダヤ人黒人女性党員を除名 出典:Truthout,2019,4,5

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英国労働党員でジェレミー・コービン党首の熱烈な支持者であり、パレスチナ人に連帯する左派ユダヤ人黒人女性・ジャッキー・ウォーカー氏は、シオニスト・ロビーや労働党内の親イスラエル派や反コービン派から「反ユダヤ主義者」のレッテルを貼られて、労働党から除名された。米国でも中間選挙で議員になった有色人女性イルハン・オマールが、シオニスト・ロビーの魔女狩りにあっている。ユダヤ系米国人心理学者・社会活動家ヨーアヴ・リトヴィンによるインタビューを掲載する。  (翻訳 脇浜義明)

――労働党除名の経緯と、コービン下の労働党の状態について

ウォーカー:党は一枚岩ではありません。議会政党としての労働党は依然としてブレア的で、党員の考えと遊離しています。党内権力闘争は、新・旧間、新・新間で展開し、複雑です。反ユダヤ主義をめぐる対立もあります。アフリカ系ユダヤ人という私の立場は、英国のシオニストにとっては危険なのです。  

シオニストは、ユダヤ人と黒人が結合してパレスチナを支援する政治勢力になることを恐れています。労働党は内乱状態で、私が除名されたのもコービン派であることが理由の一つです。私はイスラエルを批判したため、「反ユダヤ主義」のレッテルを貼られました。

――英国メディアは?  

シオニスト・ロビーの談話だけを報道しました。シオニスト・ユダヤ人が労働党の票田であり資金源ですから。

――最終審問を退席したのはなぜ?  

審理とは名ばかりで、人種差別的発言を浴びせられるからです。黒人差別発言もあり、弁護士が何度も撤回を求めても、労働党は拒否。イスラエル国批判を反ユダヤ主義とするばかりか、反資本主義も反ユダヤ主義なのです。

――あなたの人種に対する攻撃的な扱いは?  

私がユダヤ人であることを、党はわざと無視します。メディアも労働党も、私が黒人でユダヤ人であることに触れません。労働党内には本物の反ユダヤ主義があります。コービンを支持するユダヤ人への迫害です。  

米国と違って英国には、複合・交差的差別に対する政治的経験がありません。  

例えば、米国には有色ユダヤ人独自の運動体があります。私が同じ被抑圧民族であるユダヤ人と黒人の立場からパレスチナを支援することが、英国のシオニストにとって危険なのです。白人至上主義に対するグローバルな闘いの起爆剤になるからです。

――国際ホロコースト追悼同盟の「反ユダヤ主義」定義について  

反ユダヤ主義は「ユダヤ人であるという理由だけで嫌悪すること」という定義です。問題なのは、イスラエル・シオニズム批判を反ユダヤ主義だと決めつけることです。  

イスラエルがユダヤ人アイデンティティの本質だとされ、異議を挟む者は「カポ」(ナチに協力したユダヤ人)とか「自己嫌悪のユダヤ人」と呼ばれるのです。例えばイスラエルを茶化した仲間は、一時的に党員資格停止処分になり、メディアは彼女を「自称ユダヤ人」と報道しました。  

私は労働党へ戻りません。それより、創作した一人芝居『リンチ』や私のことを記録したドキュメント『魔女狩り』の上映運動を通して抑圧された人々と関わり、民主主義を高めます。

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