大阪の未来の構想を提示したい高木りゅうた(高槻市議会議員)

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都構想騒動や万博が終わるときが維新の賞味期限

大阪の統一地方選挙で維新が躍進した。原因と対抗策は何か? 高槻市議で、三選を果たした高木市議が統一地方選挙の結果を総括する。 (編集)

大阪ブランドのひとつになった「維新」

今回の統一地方選挙で維新が躍進した。大阪に限ってのことであるが、大阪といえばたこ焼きとか吉本新喜劇、阪神タイガースのように、維新が大阪ブランドのひとつになった感がある。  

府民の間で、大阪を代表してくれている政党が維新であるとの認識が広がっているのだろう。大阪府下の選挙(特に首長選挙や国政選挙)で維新に対抗するには、既存の政党やその寄り集まりではなく、地域政党的な色彩がなければ渡り合えないようにも思えてくる。  

とにかく今回の統一地方選挙を通して、維新は試合巧者だった。身勝手極まりない大阪府知事と大阪市長の入れ替え選挙では、維新も無傷ではいられまいと見ていたが、甘かった。「大阪の成長を止めるな」という実に巧妙なキャッチフレーズに、反維新勢力は有効な反駁を加えることができないままだった。維新は目標に向かって進む挑戦者、反維新勢力はそれを阻む旧態依然の集団という構図ができあがってしまっていた。  

メディアもうまく利用していた。高槻市・島本町の府議選では、維新が現職に加え前衆議院議員を突如擁立。注目の選挙区としてテレビや新聞で取り上げられ、前衆議院議員がトップ当選を果たし、維新は定数4議席のうち2議席を得た。高槻市議選でも維新は知事選、府議選の勢いのまま、候補者を現職2名から6名に増やし全員が上位当選。都構想再挑戦と入れ替え選挙をぶち上げ、世間の耳目を集め選挙になだれ込む維新の思惑が奏功した。

維新」であれば 誰でもいい?

橋下人気という「風」が弱まり、勢力が減退しつつあると見られていた維新が息を吹き返したことについて、浮動票に頼る選挙から、組織だった選挙を行えるまでに維新が「成長」したという評価を聞く。確かにそういった面もある。  

しかし、それでも維新が他党を圧倒するほどの組織力を有しているとは思えない。象徴的だったのは、前回の高槻市議選で上位当選をした維新の議員2名が任期中に維新を離党し、今回無所属で立候補したものの、前回の得票が7476票だった議員が1882票、5716票だった議員は782票と激減し、落選したことだ。まさに「維新の看板」の有無が当落を決めている。候補者個人の資質や実績などはどうでもいい、維新であれば誰でもいいのだ。  

わたしが市民から相談や陳情を受けるとき「共産党の○○議員や公明党の△△議員に動いてもらっている。自民党の○○さんが家に来てくれた」といった話を聞くが、そういうときに維新の議員の名前を聞かない。地道な活動よりも、選挙でいかに目立つかが重要であって、依然として維新を支えているのは「ふわっとした民意(橋下氏)」であり続けているのではないか。  

維新は今後も大阪の政治において一定の勢力を維持するだろうが、決して盤石ではない。都構想騒動や万博が終わるときが維新の賞味期限となるか。維新と一線を画す大阪の未来を構想し、有権者に提示していく不断の努力が必要だ。

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