カジノあかん!ギャンブルは危険 大阪の経済・くらし・文化を守る市民大集合
3月23日、豊中アクア文化ホールで夢洲へのカジノ誘致反対を訴える「カジノあかん!ギャンブルは危険 大阪の経済・くらし・文化を守る市民大集合」が開催された。講演では、横山實さん(国学院大学名誉教授)が「国際カジノ企業の大阪進出の意図」について、滝口直子さん(大谷大学教授)が「カジノができたら誰が恩恵を受けるの? 誰がギャンブル被害を被るの?」について話した。横山さんの講演内容を要約して紹介する。 (編集部 村上)
誘致を進める 維新の会
カジノ導入に一番積極的なのは、日本維新の会です。日本維新の会は、2013年12月に、IR整備推進法を衆議院に提出し、12月に可決されました。万博誘致決定により、松井知事と吉村市長は、大阪へのカジノ導入は既定の政策だと思っています。
しかし、最後は大阪市民と大阪府民が決めます。IR計画の議決は、民意を反映した議員たちの票で左右されます。読売新聞の世論調査では、「IRの夢洲への誘致」は、賛成32%、反対55%です。ギャンブル依存症は、治療法が確立していない不治の病ですが、松井知事と吉村市長は、「ギャンブル依存症の対策は万全だ」と主張しています。
依存症にされるのは誰か?
カジノ事業者の適正な選定は困難です。日本企業には、莫大な投資をして夢洲でカジノを開業する力はありません。大阪市は国際カジノ企業を事業者に選定するでしょう。企業側は、既に市への働きかけを始めています。選定にはトランプ米大統領やメルコリゾーツ(世界最大の統合型リゾート企業)からの外圧も影響するでしょう。
カジノ導入の目的である「滞在型訪日観光客の増加」は、夢洲では実現できません。欧米からの滞在型観光客にとって、夢洲は遠すぎます。また、中国、台湾、香港からの観光客は、中国語が通用し、巨大市場であるマカオやシンガポールのカジノがあるため、夢洲には魅力を感じません。
国際カジノ企業がターゲットにしているのは、日本人です。トランプ大統領の盟友アデルソン(サンズの社主)にとって、日本のカジノは未開拓の最大の市場であり、日本人客から年間2兆8000億円も収奪できると見込んでいます。特にターゲットとされるのは、アクセスしやすい地元大阪府民です。市民がカジノ依存症にされ、大阪の財政は破綻します。
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カジノ誘致により「増収」や「雇用増大」が期待できると宣伝されるが、産業が衰退した中で、安易にギャンブル産業を導入しても、社会の活性化は期待できないだろう。