■は国に対する訴訟関連、◇は東電に対する訴訟関連、◎はその他
◇2018年2月、原発事故で避難指示区域となった南相馬市小高区の住民ら321人が、ふるさとのくらしを奪われて精神的苦痛を受けたとして、東電に慰謝料など総額約110億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は318人に計約11億円の支払いを命じた。
■◇3月15日、原発事故の影響で避難を強いられたとして、県内や首都圏から京都府に移った自主避難者ら174人が国と東電に慰謝料など約8億5000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、京都地裁は自主避難の合理性を認め、国と東電に対し原告110人に総額約1億1千万円を支払うよう命じた。
■◇3月16日、原発事故で本県から東京都などへ自主避難した住民ら17世帯47人が、国と東電に計約6億3000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は双方の責任を認め、42人に計約5900万円を支払うよう命じた。
◇3月22日、原発事故で楢葉町や双葉町などの避難区域から避難した住民216人が東電に総額約133億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、地裁いわき支部は原告213人に総額約6億1240万円を支払うよう命じた。
◇4月6日、浪江町民約1万5000人が原発事故に伴う精神的損害賠償の増額を求め、原子力損害賠償紛争解決センターに申し立てた裁判外紛争解決手続き(ADR)で、同センターは和解手続きを打ち切ったと発表した。
◇7月9日、原発事故を巡り、飯舘村の住民約3000人が東電に慰謝料を求めたADRで、国の原子力損害賠償紛争解決センターの和解案を東電が拒否し、手続きが打ち切られた。
◎8月27日、原発事故による帰還困難区域の住民に対する仮設住宅と借り上げ住宅の無償提供について、県は富岡、浪江、葛尾、飯舘の4町村を2020年3月末に終了する。
■◇11月27日、浪江町民約1万5000人が原発事故にともなう精神的慰謝料の増額を東電に求めたADRの和解仲介が打ち切られた事態を受け、町民49世帯109人は国と東電を相手取って慰謝料などを求め、福島地裁に提訴。請求総額は約13億円。
◇12月26日、原発事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣3人の論告求刑公判は東京地裁で開かれた。検察官役の指定弁護士は勝俣恒久元会長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長の被告3人にそれぞれ禁錮5年を求刑した。