「バハールの涙」を見た。クルド人女性兵士を描いた映画で、ごく普通の母親がなぜ銃を持って女性兵士部隊に組織されたのか。そして彼女たちを「女に殺されたら天国に行けない」と、ISをはじめイスラムの兵士たちは恐れた。イスラムにとって女性は不浄で、不浄な者に命を奪われるのは最大の不名誉なのだという。
映画の中で描かれているのは、一晩に何千人もの女性が拉致されて、性奴隷とされ、飽きたら交換、または売買される様だ。
奴隷制度が当たり前だった時代から、現代に至るまで、男性の女性に対する意識・思考がほとんど変わっていないことに、愕然とする。洋の東西を問わず、男尊女卑の観念が今もなお、根強く残っているということだ。ケダモノ以下のことをする彼らが「神よ」と叫ぶのだから、クソくらえ!だ。
一人でも多くの人に見てほしい。そして左手に子どもを抱き、右手に自動小銃カラシニコフを持ったクルド人女性兵士の姿を目に焼き付けてほしい。彼らの闘いは今も続いているのだ。(李 末子)
あらすじ…フランスの女流監督エヴァ・ウッソンはクルド人自治区に入り、女性戦闘員たちを取材した。彼女たちは親兄弟がISに殺され、女子どもは拉致され、女性は性奴隷として売買されていた。
お詫びと訂正
1672号の李慈勲さんのプロフィールに間違いがありました。正しくは「全羅南道」生まれであり、「68年、日本に政治亡命」でした。深くお詫びし、訂正します。(編集部)