【ぷりずむ】

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 マイケル・サンデルの白熱教室2018で、サッカーのロナウド選手が教師の2千倍の年収を稼ぐのはフェアなのか、という議論がなされる。彼は努力しているし素晴らしい才能があるからとか、多くの人に感動や夢を与えるから高収入は正当であるという意見が出される。それに対して才能は生まれつきと考えれば、金持ちの家や国や、白人男性、美形という生まれつきの条件での格差が必ずしも正当でないことと同じく問題ではないか、という反論がなされる▼性差別や民族差別はダメだが、才能の格差は正当だという意見に正当性はあるのか。努力できるか? も、環境や才能の結果の面もある。努力に比例して成功するわけでもない。仕事の価値は測れるのか。教師も素晴らしい仕事なら、なぜこれほどの格差になるのか。お金じゃないなら、素晴らしい選手も普通の収入でやればいい。番組に参加した学生の意見は稚拙だが、その程度の認識で世界が動いているのも事実だ▼自分が無意識に前提としていることを疑うことから、議論は深まる。富の配分の正義の議論は、主流秩序を自明視するレベルで深めてこそ前進する。日産ゴーンの話が深まっていない日本でこの番組が再放送される皮肉。学生以下の政治家やメディア人たち。  (H)

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