【ぷりずむ】

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 昨年の一字は「災」だったが、「災」は身近にならないと、フィルターの向こう側の世界にあって、ややもすればエンターテインメントのように消費される情報になってしまう。大阪では昨年は大きな地震があり、大きな台風があり、日常を支えるシステムのもろさを実感した。しかし直接の被害に遭った人以外は、のど元過ぎれば忘れてしまい、日々何ごともなかったかのようにシステムは動き、人びとの生活はそこに乗っかっている▼システムが稼働しているかぎり(そしてお金があれば)、人はひとりでも生きていけるように錯覚できる。しかし、そのシステムは膨大な流通やエネルギー、人びとの労働によって支えられているものだ。それがダウンして初めて、自分がそこに依存していたことに気づく。災い転じて福となることがあるとすれば、それは、そういう意味においてではないだろうか▼天災にかぎらない。仕事や事業であれ、活動や運動であれ、何かがうまくいかなくなったとき、そこには気づきがあるはずだ。自分が乗っかってきたものを見直し、それを転機とすること。それが、新しい風を呼ぶのだろう。いろいろ困難なことはあるが、だからこそ、新年に新しい風を予感したい。(K)

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