草の根運動が民主党を根本から変革する ノーマン・ソロモン(ネット活動グループRootsAction.orgのコーディネーター)

米中間選挙民衆の台頭

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 2016年の米国大統領選の民主党指名候補争いに、党本部が画策して、人気上昇の社会民主主義者バーニー・サンダースを排してウオール街からの献金が集まるヒラリーを指名候補にした。結果は、トランプに敗北。その後党内や進歩派支持者の草の根改革運動が続き、現に、各地の中間選挙向け指名選挙やその他の選挙で、無名の草の根候補が勝利するなど、快進撃が続いている。以下の小文にはそんな背景がある。(翻訳:編集部 脇浜)

 9月15日、シカゴのホテルで民主党全国委員会の委員たちが会合を開いた。会場の外では私たち草の根活動家が、「民主党よ、その名前通りの党になれ!」というスローガンを掲げて圧力をかけた。

 その効果があったのか、委員たちは候補者選定プロセスで自分たちや他の「大物議員」が権力を行使することをしない、つまり民主党指名候補を選ぶプロセスで、実力者や大物の影響力行使を排除し、民主主義的に行う提案を可決した。

 これは大きな変化だ。権力を持つ者がそれを減じる決定をするなどめったにないし、民主党が大統領候補を指名するプロセスを民主主義的に行うという歴史的決定をしたことなど、過去数十年間に一度もなかった。

 私はバーニー・サンダース陣営の代表として2016年の民主党全国大会に参加した経験があり、その後も候補者指名過程から大物や実力者の横車を排除する党員連合の一人として活動してきた。そういう立場で、9月15日の歴史的決定について考えてみた。いくつか心に留め置くことを箇条書きする。

 1:歴史的変革のリーダーシップは草の根から生まれなければならない。

 マスメディアが大物議員の影響力を取り除くことはなかったし、進歩的と言われる民主党議員にもその力はなかった。ボス議員や陰の実力者の影響力を止める力は、あの2016年選挙のときの党幹部たちの不正操作に怒った進歩的党員や民主党支持基盤から生まれた。その人々の執拗な改革要求が続いたのだ。

 2:民主党支持者に真実を伝える活動

 民主党支持基盤の民衆に、真実を伝える教宣活動を熱心に行い、改革運動に参加するよう勧誘する活動を、全国の地域社会で展開した。よく「仏に法を説く」のは無駄と言われるが、確かにそういう面もないことはないが、それでも釈迦に説法をやらなければならない。基盤を確実に固め、いっそう拡大するために、絶えず働きかけ、意思疎通をしなければならない。

 3:草の根運動が議員を指導する

 最良の民主党議員でも、変革へのリーダーシップを発揮できないものだ。草の根運動が議員を指導すべきであって、その逆であってはならない。連邦議会の進歩的幹部会に任せていたら、冒頭で述べた党幹部やボス議員の介入を止める改革は生じなかっただろう。実際、この改革に賛成した現職議員は少なく、中には激しく反対した「進歩派」といわれる議員もいた。

 4:党幹部から社会変革の構想は出てこない

 草の根活動家が不屈に、しかし利口に闘うと、民主党幹部もそれに従わざるをえなくなることもある。事実問題として、議員や党幹部から根本的な社会変革構想が提起されたことは一度もなかった。

リーダーシップは草の根から作る

 5:民主党を越えた組織化活動

 進歩的なエネルギーに働きかけ、情報を伝え、効果的に怒りを発揮させ、行動させるようなオルグ活動を、民主党を越えて行う必要がある。草の根オルグ―地域、地方、全国―が最重要だ。進歩勢力が大きくなり、影響力を全面的に発揮するようになれば、民主党本部や幹部たちも、選挙に勝つためにはウォール街の金持ちよりは、進歩勢力の信頼を得ようとするだろう。最近、ようやく、党幹部たちは、スーパー議員を担ぎ出すことばかりに力を入れ過ぎたために草の根の民主党支持が減ったことに気付き始めた。

 6:選挙運動は社会運動の一部であって、その逆になってはいけない。

 選挙に勝つ―民主党の進歩的な人を大勢当選させ、共和党を破ること―は必要であり、行政府、立法府、司法府に対する共和党の支配をなくさなければならない。今秋の中間選挙からそれを始めなければならない。共和党を破ることは民主党に勝たせることだ。

 しかし、だからといって、進歩的な人々が党中央や大物議員に従うことはない。幹部や既成議員は立場上縛りが多く、すぐに妥協する。企業の横暴と戦争が絶えない現代にあっては、民主党を根本から変革しなければならないが、それは党中央でなく、草の根勢力にしかできない仕事だ。社会変革のカギとなるのは草の根レベルの社会運動である。

 従って、リーダーシップは草の根から生まれなければならない。大物議員や有名議員はもはや死んだ馬にすぎない。

 出典:Zコミュニケーション・デイリー・コメンタリー、2018・9・18

 

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