特集(4) 野放しの「復興」政策と巨額予算の正体

アジア各国で「放射能=安全」デマ 金のない学校から福島へ旅行誘致 福島から台湾への避難者の昌子さんが報告

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 1638号でお伝えした、復興庁の台湾での福島安全キャンペーンについて、2月13日、詳しく聞く場を避難者団体「ゴー・ウエスト」が大阪で開催した。福島だけで毎年1兆円超もの復興予算が、アジア各国で訪日教育旅行の補助金に使われている。

 福島から台湾への避難者・昌子さんが報告した。
―復興庁と福島県は、14年から台湾の教育部の職員を福島に招待し、修学旅行先を福島に決めれば補助金を出している。訪日教育旅行の生徒数は、11年から13年の間に3倍以上に激増した。都市部よりお金のない地方の学校の財政事情につけ込み、地方の学校から呼び込んでいる。しかも放射能汚染には一切触れない。

 日本政府は、台湾政府に東日本産食品の輸入解禁に向けて凄まじい圧力をかけ、市民は公聴会の机をひっくり返すなどの実力抗議をした。台湾は反原発運動が盛んで、原発は「核電」、原発事故は「核爆発」、放射能汚染された食品は「核食」と直球で呼ばれている。台湾政府は規制見直しを検討しているが、完全に板挟みになっている。

 そこで日本は、台湾の大学生・院生を福島に呼び、撮影した映像を台湾で展示する『福島、元気?』というイベントを開催。ここでも汚染には一切触れず、台湾向けに『もう大丈夫』とアピールさせている。また現地日本人や日本人の人気作家も動員され、民間主催を装いながら復興庁や福島県の役人がゾロゾロ登場する。参加した日本人は『日本での〈絆キャンペーン〉が輸出されている』と批判している。

アジアへの「放射能汚染侵略」

 香港やベトナムなど、政府が『親日』と規定する国でも同じ宣伝をしており、韓国や中国では少ない。つまり復興宣伝に右翼政治業界が絡んでいるようだ。今後は(1)日本語学科のある大学を福島のインターンシップに呼び込む、(2)交換留学生を補助金で誘い込む、(3)中国との微妙な関係を悪用して台湾に『親日=親福島』を売り込む作戦の加速が懸念される。まるでアジアへの放射能汚染侵略だ。―

 これらは巨額の旅行費・宣伝費である一方で、昨春に打ち切られた区域外避難者の住宅支援は復興予算の0・6%に過ぎない。この「汚染侵略」こそ日本国内に知られていない復興政策の正体だ。今後も詳報していく。(編集部・園)

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