見送られた土砂投入
8月16日から18日にかけて、辺野古新基地建設阻止・ゲート前連続集中行動の第2波が行われた。 16日、ゲート前は平日にもかかわらず200人を超える人々が結集した。
この日は、元TBSアナウンサー久保田智子氏引率の下、カルフォルニア大学の学生たちがテントを訪問した。
学生たちからは「沖縄にはすでに多くの基地があるのになぜここに基地を造らないといけないのか分からない」、「米国人は自国に他国の基地があるという感覚が分からない。もし日本が米国に基地を造ると言ったら激怒すると思う」といった意見が飛び交った。
辺野古浜への土砂投入が予定されていた17日は、翁長知事の死にともなう知事選への悪影響を心配して、工事の着手が見送られた。
官房長官・菅義偉は翁長氏の葬儀に出席し、形ばかりの弔意を示した後に、工事の進捗を図るための打ち合わせを関係者と行ったという。このあまりにも白々しい菅の行動に対しては「ふざけるな!」という怒りの声や、怒りを通り越した呪詛の思いがテントに結集した人々を包んだ。
故・翁長知事の遺志が参加者をひとつに
土砂投入が中止になった要因として、公明党による菅への提言があった。公明党は「キャスティングボード」を握ることで自民党を牽制するという姿勢を示すことが多いが、権力の旨味を一度知った輩に、沖縄の人々が持つ平和への思いを託すことは不可能である。
17日の午後は、ゲート前抗議の参加者と、辺野古海上抗議行動を闘う人々、国会や県議会、市議会で基地に反対する議員ら約450人が辺野古浜に結集し、豊かな自然あふれる辺野古への新基地建設を許さないことを誓い合った。
最終日の18日も、土砂投入、資材搬入は行われなかった。1500日を超える地道な座り込み運動の成果や、翁長知事の沖縄への思いが土砂投入を阻止したと言える。
夕方からはゲート前において、地元の人たちを中心にキャンドルデモ・アピールが行われた。この行動は、ゲート前を通る車に向けて新基地建設反対を訴えるものである。沿道でマイクを持った地元の子どもたちからの訴えに、多くの人々が車の中から手を振り、新基地建設反対に向けた共感の輪が広まった。
16日から18日の行動を通して、沖縄や日本本土から多くの人々が新基地建設反対の意思を示した。参加した人の多数は年配の人たちだが、多くの若者も自由に新基地建設反対の意思を表明した。
ポップなデザインのTシャツやバッジを作成した沖縄の肉球新党の人たち、東京から駆けつけたみちばた興業が運動を盛り上げた。みちばた興業は、音楽や斬新なパフォーマンスによるアピールを通して抗議参加者を勇気づけた。彼らからは、多くの参加者が楽しく抗議するようなしなやかな運動が権力側に脅威を与えるという重要な教訓を再確認させられた。