布施えり子:1981年生まれ。非正規労働者の労働組合・フリーター全般労働組合で活動するうちに、2009年に夜の世界で働く人びとの労働組合・キャバクラユニオンの立ち上げに携わり、賃金の未払いや暴力・ハラスメントなどの労働トラブルを解決。本書が初の著書となる。
キャバクラ。一見華やかな夜の世界だが、そこはいっぽうで労働者として働く女性を苦しめる、さまざまな労働トラブルが横行する場でもある。賃金未払いは日常茶飯事、セクハラや暴力は当たり前のように横行。労働環境の悪さに心身を病むキャバ嬢も多い。そんな実情を少しでも変えてゆくべく、2009年の結成以来、200件以上ものキャバクラにおける労働争議を行い勝利してきた労組、キャバクラユニオン。
この労組の主要メンバーとして、さらには自らキャバ嬢として業界に潜入までして雇用トラブルとの対決の第一線に立ってきた著者が、トラブルの実例をえぐり出す。
そして、実際には多くの女性がキャバ嬢として働いているのに、彼女たちは雇用主、客、さらには世間からの蔑視、偏見になぜ苦しまなければならないのか?という問題にも向き合う一冊。
▼B6版・207㌻/現代書館発行(TEL03‐3221‐1321)/定価1300円+税