【追悼】サミール・アミン氏 ウリ・アヴネリ氏

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 新聞社と縁がある2人の国際人が亡くなった。

 1人は、従属理論で有名なサミール・アミン。8月9日、86才。渡辺前編集長と2人で、パリで彼にインタビューして、ソ連・東欧社会主義勢力崩壊後のことを質問したことがある。彼は宗教原理主義の台頭を予測し、実際その通りになった。その後彼の論文を幾つか翻訳した。陽気なエジプト人といった人柄で、おいしいアラブコーヒーとトルコ料理をご馳走してくれた。

 もう1人は、グーシュ・シャロームのウリ・アヴネリ。イスラエルをユダヤ人国と規定する基本法を批判する論文を書いて、それに反対するデモに参加する用意をしているときに倒れ、8月20日朝死亡。94才。ナチを逃れてパレスチナ移住、最初右翼過激テロ集団イルグン兵士として反英闘争をやったのが政治活動の始まり。

 その後シオニズムに反対、ヘブライというアイデンティティを掲げて新勢力運動を行ったが、インテリ向きの高踏派運動。その後グーシュ・シャロームという平和市民運動をアダム・ケラーらと起した。

 2002年の夏にテルアビブでアダム・ケラーと会ったのが契機で、アヴネリを知るようになり、彼の論文を何度も翻訳した。「ティックン」という進歩的ユダヤ教団体のネット・ジャーナルに寄稿していた。

 大変な博学の人で、すべて独学だったいう点で、同じ道を辿った私は親近感を持った。ただ、イスラエル人にシオニズムを捨てよと説きながら、どこか強烈なユダヤ民族主義が感じられて、次第に彼の書いたものから遠ざかってしまった。それでも私は彼を尊敬している。

 両人のご冥福を心から祈る。これで本紙で弔文を書いたのは4度目。自分の分も用意しとこうか?   (編集部・脇浜)

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