【言わせて聞いて】天皇制とは何か

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 鵜飼哲氏によれば、天皇制には思考停止の機能がある。天皇とは何かと問うてはならないと教えられてきた私たちは、それが一体何か、考えるきっかけを失っているのだという。天皇制に対する思考停止を「物わかりのよい」こととして称賛する日本社会は、気味が悪く愚かだ。

 ところで、この機能は、人との関係を断つことでもあると私は思う。問いは自己の内面で尽くされるものでは決してない。むしろ、誰かに問いかけ、共に考えていくことにこそ意味があるはずだ。しかし、歴史が示すように、天皇制はこれを許さなかった。分かち合えないのであれば、出かかった問いは、「そういうもの」として飲み込まざるをえない。

 私たちは語るべきことと語り合えているだろうか。顔色を窺って、相手の心情を推し量る術ばかり身につけてはいないか。これらは、権力の欲望を汲みとりながら日本社会で「うまくやっていく」術なのかもしれない。

 しかし、天皇制ゆえに強いられているこのような生き方が、私たちを大いに損なっているのもまた事実である。にもかかわらず、これと対決どころか真摯に向き合うこともせず、利用したつもりになって、ただただ従属しながら生きている私たちとは、一体何者なのだろうか。この問いに答えるためにも、いまこそ天皇制に向き合わねばならないと思う。(匿名・29歳)

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