【時評短評 私の直言】井上ひさし「吉里吉里国」から学ぶ「くに」の姿

日本国から独立するために シネマブロス代表 宗形修一

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全国に、ミニ独立国家ブームを巻き起こした小説

 加計問題は2015年から森友問題は、2016年から現在(2018年)に至っている。この間真実は、なんら明かされないまま現在に至っている。

 首相安倍・財務大臣麻生が堂々と嘘を語っても、財務省の佐川・福田がインチキ・ペテンを語っても、安倍内閣の支持率は31%である(毎日新聞5月28日)。国民の税金を株価維持に投入して、株価高価格を維持する効用は絶大である。しかし、日本の国家像は清貧なる、平和国家からは遠く離れてしまった。それ由、再び思い出すのは、全国にミニ独立国家ブームを巻き起こしたのがこの小説です。

 井上ひさし「吉里吉里国」 は、次のように言い放つ。―俺達が日本国から分家(かまどわけでもらう)する決心する一番直接な因(もと)は農業のごとよ、俺達が独立を踏み切ったなぁ、日本国さ愛想もこそも尽ぎはてたからだあっちゃ、日本国の国益だがいう物、もう真平なんだっちゃ。―

 独立の理由については、―「国益の為だ、減産せろ!」「国益の為だ、広域営農団地ば作れ、企業化する、機械化する、大型化する、単作化する!」「国益の為だ、文化ば言っても仕方無べ!」等々…。

 そのうえで、「吉里吉里国」のトラキチ東郷は日本国から独立する契機を次のように語っている。

 「俺達ァこの地で一番よく出来る作物『米』、 だから昔から米を作ってきた。自給自足する為に「その国で一番よく穫れる作物をその国の主食にする」のが当然、ところが役人どもは一向に合併案ば引っ込めねぇ。それどころが故意に俺達の決定ば無視して、合併計画ば推し進めた。錦の御旗は例の『国益』よ。俺達は怒った、俺達の気持ちを、蛙を踏すみてえに踏みつぶす国益なんぞもう肥溜め行ぎだ。国益なんっと言葉聞くともう反吐がでる。最後まで俺達のようにしてみんべ、なに一生懸命やれば出来ねぇことも無べ、つうわげでこの度の俺達の独立となったのじゃね」

 吉里吉里国が引用する国家の定義は、1929年ドイツ・コンチネンタル=ゲゼルシャフト事件のドイツ・ポーランド仲裁裁判所の判定である。―「国家は、その国家が独立した瞬間に成立する。即ち国家はそれ自身で存在し、諸外国による承認は、その存在のコンスタタション(CONSTATA TION)つまり確認にすぎない」(沖縄県はこの判例を使い独立を考えたらよい)。

 井上ひさし「吉里吉里国」を援用したのは、わたしたちが、安部・自民党専制の中で、自分の国を相対化してみるためです。司法・立法・行政がみんな腐ってしまった。と慨嘆するのでなく、自分たちの国のあるべき姿を考えたいと思うからです。

 日本国憲法77条の「邦土を僭窃」の条文を援用するなら(私は死刑絶対反対です)福島県の東部地域(双葉地方)を居住困難地域にした東電経営陣は死刑または無期禁固となる。

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