【大阪北部地震】新自由主義の歪みが被害を拡大

 高槻市議 高木りゅうたさんに聞く(編集部・園)

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今回の大阪北部地震、地元の議員として様々な被害場所を回り、自治体の対応も検証しました。「もっと大きな災害が来たら持たない」が正直な実感です。ぎりぎりのところで何とか持ちこたえたという印象です。
まずこの間自治体の正規職員が非正規職員に置き換えられてきたことで、災害対応に当たる職員が不足し、避難所開設当初は2日ほど帰宅できず休憩もとれずに業務に就く職員もいたようです。しばらくしてから他府県から多くの応援職員が来ました。職員が捉まらず、知りたい情報がなかなか得られないなか、市は議会より先にマスコミへ情報提供を行っていたので、当初は新聞で情報を得るような状況でした。議長が抗議し、ようやく議員にも情報が出されるようになりました。豊中市では市長直轄の災害対策本部に市議会も参加して情報の共有化をはかり、議員が地域で見聞きした課題や要望をすくい上げて執行部に要求するかたちをとっていて、参考にすべきです。

 小学校のブロックが崩れて女児が死亡する痛ましい事件が起きました。高槻市はいまの市長のもと、かなり厳しく経費削減をしています。現場ではブロック塀の対処が必要と認識しながらも、予算要求しても無理だというような抑制がどこかで働いたのではないかと思っています。いずれにせよ当該ブロック塀の違法性や危険性を学校に招かれた防災アドバイザーが指摘し、校長に善処を求めるメールをしています。少なくとも3回はブロック塀を改修なり撤去する機会がありましたが、それをしなかった市の責任は大きいです。学校現場のことを真剣に考えない教育委員会の構造的問題も事故の原因のひとつだと思います。

 街は落ち着いているようにも見えますが、住宅の問題は課題が多いです。一部損壊だと公的支援がない。無償で公営住宅に転居できる人は限られていますし、それ以外のひとは転居費用も出ない。大阪府は義援金を一部損壊に配分しませんでした。独自の支援を行う動きも見えません。万博やカジノではなく、被災者支援に予算を回すのが当たり前です。地震で水道管が破裂しましたが、大阪府は老朽水道管が全国一多いのです。維新政治の民営化、公共事業予算削減の新自由主義政策のゆがみが震災の被害を拡大させています。

 また、自衛隊がうまく入り込むなと思いました。簡易風呂を持ってきたのは助かりましたが、風呂の受付に座る自衛官は迷彩服を着ていて違和感を覚えました。自民党の国会議員が自衛隊員をヒーローだと嬉しそうにSNSに載せていました。確かに被災者は目の前で頑張る自衛隊員に感謝するでしょう。しかし、安倍首相は自衛隊を戦争する組織に変えました。戦前の「兵隊さんありがとう」を被災者心理をうまく使って刷り込んでいるように感じました。

 中国地方の水害でもボランティア不足ばかり強調されていますが、行政職員を減らして、ボランティアの自己責任で対応させたいのです。そして目立つ場面で自衛隊の活動をマスコミに報道させ、軍拡に利用するのでしょう。自衛隊は災害救助隊でいいのです。

 災害は弱者から犠牲になります。避難所に来た多くは高齢者で外国籍住民もいました。外国籍の方は災害情報が多言語対応していないため、不安そうでした。

 国や行政はさかんに「自助」や「共助」を強調しています。本来は「公助―共助―自助」の順番が、今は逆にされていることが最大の問題です。地震だけでも大変ですが、これに原発事故が重なればどうしようもないと改めて思いました。原発は絶対やめないといけません。

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