ぷりずむ

ささやかなアヘン戦争

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 歯茎が腫れたので歯医者にいった。歯の埋めものの下の炎症で、原因部分を治療した。医者は、念のために抗生物質を出すと言う。いらないと言った。腫れが残ってもいずれ治る。医者は薬の出し過ぎだと思っていたら、アメリカはもっとひどいトランプ大統領は10月26日、鎮痛剤の乱用による薬物中毒の拡大を米国の「国家的不名誉」と呼び、公衆衛生の緊急事態だと宣言した。米国では、オピオイドと呼ばれる鎮痛剤の中毒で、毎日100人以上が死亡している。違法薬物でなく、医者が処方する薬である▼大手製薬会社が、数年前「オピオイド系の鎮痛剤は他の鎮痛剤に比べて依存性が少なく安全」という見解を示したため、医者が安易に処方した。しかし、実際のところ多量の依存者を出した。アメリカの製薬会社は大儲けした。かつてイギリスが中国でアヘンを流行らせ儲けたのと何ら変わらない▼日本でも診療以外に、薬の処方にも医師に対価が払われるので、どうしても医者は薬を出す。「うつ病」と診断され、薬を飲み続けたが治らない。やめたら改善した、という事例も知っている。薬が要らないのではない。要るものは要る。薬が処方されたらなぜそれが必要か納得するまで聞こう。それは私たちのささやかなアヘン戦争である。 (n)

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